(お題配布元:確かに恋だった様)
「あ、スコール。今お腹鳴ったでしょ。」
「……鳴ってない。リノアじゃないのか?」
「ちがいまーす。そっちから聞こえてきました〜。」
ソファに二人並んでテレビを見ていたある日の昼下がり。
わたしはぐるる、という音の聞こえた所―――スコールのお腹―――を突っついた。
本当に無駄なお肉のない引き締まったお腹だなぁ、なんて考えていると、またぐるる、という音。
「これで言い逃れできませんね?スコール君。」
「…違うんだ…今日の日替わり定食、量が少なくてだな…。」
わたしから目を逸らして、なんだか恥ずかしそうな、ばつの悪そうな顔。
…照れていらっしゃる?お腹なんて誰でも鳴るのにね。
そんなスコールがかわいくて、わたしは彼の襟もとをひっぱって引き寄せると、頬に口付けた。
「お腹いっぱいになりましたか?」
「…っ…!」
あら、真っ赤っか!
赤い顔を隠すように向こうを向いてしまった彼は、大きな手で自らの胸を押さえて言った。
「………………今、変になった。」
「何が?」
「…ここ。」
左胸のシャツをギュッと握り込むスコール。
「なんていうか…変な音が…鳴ったというか…。」
「ぐるる、じゃなくて?」
「胸からそんな音鳴ったらやばいだろ。…いや…でも…さっきのも…ヤバいのか…?」
ぶつぶつと呟く彼に聞いてみた。
「もしかしてわたしのこと、かわいい、なんて思った?」
「…あんな不意打ちしておいて思わないでいられるかよ…。って、言わせるなよ、こんなこと…。」
「わたしね、スコールの胸がどんな音したかわかっちゃった。」
「…?」
「それはですね、ズバリ!恋の音でしょう!」
きゅんって音がするらしいです
END