「ご協力ありがとう御座います。」


形だけの事情聴取が終わろうとしていた

さっきはすごい雨がふっているし、何だか外が騒がしい。蝉みたいな耳につく音が響いていたが何だったんだろう。
なんか頭が痛いし、今日早く帰りたいな
そんなことをボーッと考えていたら



「先生!!!」


ガラッと激しい音を立てて顔色がひどく悪い女子生徒が職員室へと駆け込んできた


「変な人が教室にいてっ、あ、稲田先生が、さ、刺されて。それで松本くんと西野君が!!」



「な!瀬野。大丈夫か?それはどこだ!」



「不審者か?私達も行きましょう!」



『あの!私も行きます!』



「いえ、戦国先生は警察に電話をお願いします!」



慌ただしく出て行く先生と刑事さん
突然のことに頭が回らなかったが、とにかく今は警察に電話はやくかけなければ
あの女子生徒は稲田先生が刺されたと言っていた。
ナイフかなにか持っていたのか、生徒には怪我はないのか、救急車も呼ばなくては
なんて一瞬のうちにいらいろなことが脳をよぎる


『とにかく電話!!』


職員室の一番近くにあった受話器を取るけども
ボタンを押してもなんの反応もない
ディスプレイに点灯もしない


『え、電源切れてるの?』


隣の机の電話でも試すがどれも反応がなくて、まさかブレーカーでも落ちたのだろうか
とりあえず急いで隣りの事務室まで走った



『なんで繋がらないのっ。』



どの電話も繋がらない
携帯電話は生物準備室の机に置きっぱなしだった
職員室にも事務室にも私以外は残っていなくて、とりあえず先生たちを追いかけたほうがはやいかもしれないと事務室を出る

廊下の消火栓のボタンを押せば消防と警察に連絡が行くんだったっけ?と一瞬押すか迷ったがうかつに判断しないほうがいいかと急いで廊下を駆け抜けた


パァアアンっ



『うそ、今のって銃声?』






頭に響く銃声とガラスの割れる音


一瞬それを聞いて足が止まってしまう















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