刷り込みから始まったそれは恋

刷り込みから始まるそれは恋
*100万hit企画アンケート5位作品
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俺の天敵、澤匡。
この男にパワハラにセクハラまでされて俺は辞表を書いてやった。
しかし教育担当者にまずは提出せねばならず、あっさりとゴミ箱の中へ。

「なんてことするんですか!」
「これだからお子ちゃまはー」
「ふざけないでください!あぁっもう!せっかく手書きしたのに・・・!」

ゴミ箱から出した辞表をひょいっと奪われ今度はシュレッダーの中へ。
CDさえ粉砕するシュレッダーはものの何秒かで俺の書いた辞表をゴミへ変えた。

「意識しすぎだって、俺を」

あぁ、神様仏様女神様。
この男はきっと悪魔です。



お昼を告げる音楽が鳴る。
俺はそれと同時にトイレへ逃げ込んだ。
そう、懲りずに俺を昼食に誘う澤匡から逃げるためだ。
アイツと昼飯を食うぐらいなら俺は昼飯はいらない。
幸い社会人というものは大体余裕があって。
この音楽だって形式上慣らしているようなものだ。
基本的に区切りが良いところで1時間の昼休憩をとる。
外回りをあまりしない事業部は大体この時間に昼食を取るが少し遅れて外に出ればいいだけだ。

「柿崎ー?」

畜生!
こんなところまで追ってきやがった!

「腹の調子が悪いのかー?」
「そうです。なので昼食はお1人でどうぞ」
「そうかー。残念だなー」

しかし澤匡がその場所から動こうとしない。

「本当に大丈夫かー?」
「だ、大丈夫ですから!」
「柿崎便秘なんだなー!大変だなー!」
「ちょっ、ちょっと!」

先ほどよりも大分大きい声を出して澤匡が叫んだ。

「あんまり力むと痔になるぞー!」
「さ、澤さん!」
「あ、出た?音がしたけどー!」

で、でたらめだー!!!
スラックスすら脱いでないのにどこから音がするんだ、畜生!

「あ、柿崎ー!便秘には野菜が」
「お、お待たせしました!すみませんでした!もう大丈夫です!黙ってください!お願いします!」
「そ?」

泣く泣く外へ昼食を食べに出る羽目になった。
何の気を使ったか知らないが俺の昼食は野菜サラダが2つになっていた。
恨めしい気持ちで生野菜を咀嚼していたって健康な腹へ収める。
どんよりとした気持ちを隠しきれないまま会社に戻ると同僚の女の子が手まねきをした。

「か、柿崎くん」
「ちょっと、ちょっと来て!」
「うん?」
「こ、これ、よかったら・・・。聞くかわかんないけど・・・」
「あっあと、これ飲んで!お茶なんだけど、その、お通じに・・・」

俺の手に渡されたのは温かい少し濁ったお茶とコーラック。

「いつでも言って!こーゆーのって女の子の方が詳しいから!」
「困った時はお互い様だもんね!」

澤匡はその様子を見て机に突っ伏していた。
この野郎・・・!


下半身をブランケットで覆い隠し、誰もいなくなったオフィスで絶賛残業中。
澤匡はどこかへ出掛けて今はいない。
この隙にさっさと仕様書を作り上げて俺は帰るのだ。
例え仕様書が3つもあろうとも・・・!
俺のスピードにPCがついてくればさほど時間はかからない!
企業への説明として使うファイルを開き順番に並べると一斉にコピー。
その隙にフォーマットへ全てを入力。
コピーした書類を放置することは会社として禁止されているが今は俺しか使っていないのだから何も構うまい!
仕様書を製本印刷にかけ、会議資料を今度はコピー。
その間にファイルを取りに行き印刷資料に穴を開けてファイリング。
よし、この調子なら澤匡におつかれさまですのメモだけ残して帰れる・・・!
そして今日俺の机の上にプレゼントと言って置いて行ったぬいぐるみを鞄に詰め込んでやるのだ!
俺は男で間違っても澤匡を好きだなんてあり得ないので澤匡からのプレゼントを喜びはしない!
バタバタと一人で騒ぎ、残りはクライアントのオフィス移転検討先の地図を印刷するだけだ。
webで地図を引っ張り、印刷。
ちゃんとわかりやすいように地図に案内も付けた。
ファイル類をまとめて澤匡の机に置き、地図に付ける付箋を手にコピー機の前へ。
すでに終わっている分に付箋を張り付けていたら尻に違和感。

「アレ、もう終わったの?」
「ひっ!」
「そんな喜ばなくても。寂しかった?」
「触らないでください!」

最早こうやって尻を撫でてくることは日常茶飯事だ。

「柿崎は偉いなー。仕事が早い」
「澤さんがちゃんと仕事すれば、もっと早く終わるんです!」
「えー?そんなに俺と一緒にアフターしたかったー?」

コイツの耳はきっと病気なんだ、そうに違いない。

「よし、じゃぁ俺が夕飯を奢ってやろう」
「結構です!」
「堅いこと言うなよー」
「いいえ!お昼も毎回御馳走になっているので!」

とげとげしい言葉を口から吐き出す。

「まーまー。あんまりカリカリするとハゲるぞ?」
「うちの父も祖父もふっさふさなんで心配していただかなくて結構です!」

まとまった地図を澤匡の机の上に叩きつけて帰り支度をする。
仕方ないのでぬいぐるみは自宅で処分しよう。

「お、持って帰るのか?」
「ええ」

いちいちムカつく奴だな・・・!

「準備終わったか?じゃぁ行くぞ」
「ちょ、ちょっと!行かないって何度も・・・」
「遠慮しなさんなって」
「遠慮じゃねええぇ!!!」

言葉荒くいくら罵ろうが澤匡は俺の腕を離そうとしない。
地下のパーキングに行くと澤匡は強引に俺を車に押し込めた。

「澤さん!もうこれは誘拐と言ってもいいほどの行為ですよ!」
「ただ上司と飯を食うだけで大げさな。ちゃんと柿崎のことを考えてオーガニック食材の店を予約したんだぞ?」
「よ、予約・・・?」
「そ。予約待ち長かったんだぞー?」

予約だと・・・?
じゃぁ元々この予定だったのか・・・?

「な、なんて身勝手な・・・!」
「はっはっはー。喜んでくれて何よりだ」

暴れる俺を無視して車は急発進。
終いにはここがどこだか全く分からない場所にいて。
言われるがまま着いた店はそらもう高級そうで。
手慣れた様子でカードなんか出しちゃって。
ちゃっかり個室なんか予約しちゃっていて。
目の前には流石と言わんばかりの食材が並んでいて。
あまりの強引さに感心せざるを得ないほどだ。

「はぁ・・・」
「あれ、イベリコ豚嫌い?」
「そうじゃないです。もう帰っても良いですか」
「まだ残ってるだろ、飯。残すなよ」
「いえ、もう貴方と2人っきりの空間に1秒もいたくないんです」

もう上司だ部下だなんだと気にしていられるものか。
L字カップルシートになぜ男2人で座らねばならないのだ。
手にフォークを握りしめてため息ばかりが出てくる。
腹が減ったのなら可愛い女子社員を誘って飲み食いしていればいいんだ。
俺だって華金ぐらいは同僚と楽しく飲みに行きたい。
・・・アレ?
俺もしかして1回も参加できてない?

「ため息ばっかりつくと飯が不味くなるだろー?」
「んひっ!ちょ、触るな!」
「もう何度も触ったって」
「そ、そう言う問題じゃない!」

澤匡の手が俺の股間を、俺のモノを揉み始めた。
やめろやめろやめろ!

「ふざけっ、んんぅ!」
「やっぱ柿崎って感度いいよなー。すぐ勃起する。それとも1人でしないのか?」
「あ、あんたが、触るからあぁん!」

自分の口から出た声にびっくりして口を塞ぐ。

「可愛いなー」
「ま、ちょっと、澤さん!」
「もう漏らしてんの?ンッ、う」
「ひぃ!汚いっきたなっ」

澤匡は何の抵抗もなく、俺の・・・俺のモノを口に含んだ。
生温かい他人の熱に俺のモノは喜んだように先走りなんか零している。
ガクガクと震えている腰を澤匡は撫で回し、自分の方へ引きずる。
逃げようともがくのに、ちょっと先っぽを吸われただけで力が抜ける。

「ふ、うっううぅっ・・・んっんっは、んっ」
「こへ、らせば?どうせ聞こえねぇよ」
「ん、やらっ!あっう、うん、んんっひぅ」

口どころか顔面を塞いでこの行為に耐える。
自分の下半身がどうなっているかなんてもう考えたくもない。
ふと、ぬるりと、ぬるりとしたものが、し、尻を、っていうか、その、あ、穴に、入って・・・。

「な、何、」
「んあ?あぁ、指?」
「ゆ、び・・・?」
「俺の。ほら」
「んうぅ・・・!」

ぬるりと俺の、その、尻の穴から出てきたのは澤匡の指だった。

「ぎゃああぶふぅ!」
「さすがに悲鳴はうるさい」
「ん゛、んんっ!」
「前菜についてたオリーヴオイルだって。心配すんな」

そう言うことではない!
そんな問題じゃないんだ!
澤匡の指は俺の中にまた入っていって、こともあろうに更に奥へと進もうとする。
入口?出口?だけでも違和感がとんでもないのに、なんて奴だ。

「むい、らって。もう、もぅ、いやだぁ・・・」
「泣くなよ」
「だ、だって、そんなとこに、汚いし」
「大丈夫だって。お前のは汚くない」
「そんなわけあるか!」

ずいっと俺の前に澤匡の顔が突き出される。
ヘラヘラしたいつもの顔じゃなくて、割と真剣な顔で。

「お前がどうしても嫌ならコレが最後だ」
「う、うぅっ」
「ちゃんと辞表書いて、俺が会社辞めるから」
「んひっいっうあっあぁ!」
「あと少し我慢しろ」

澤匡が自分のモノを取り出して俺のモノと一緒に擦り始める。
ぐちゃぐちゃという音が大分耳障りだ。

「やだ、やだやだっ!で、出るからっ」
「は、柿崎のココ、すげぇ締めつけてくる」
「あっう゛う゛っ!そこ、嫌っさ、触るなぁっ!」
「気持ちいいくせにー」

乱暴に掻き混ぜるようにして俺の中で指が動く。
下半身が熱くてたまらない。
俺のモノだっていつ爆発してもおかしくないほど腫れている。
目を開けると少し息の荒い澤匡がいた。
その顔は初めて見たとか、これで最後だと思うと変な気持ちになる。
最低だ、俺。

「は、う、うっ、うあっんああぁぁっ!」
「っ、うぅっ!」
「うぅん!んっん、うっ!」

最後だと言う行為が終わって、俺はもう放心状態。
自分のだか澤匡のだかわからない精液を澤匡がナプキンで拭いていた。

「・・・澤さん」
「んー?」
「会社、辞めるんですか」
「辞めないよー?」
「は?!」

や、約束が、違う・・・!

「えー?だってお前がすげぇ寂しそうな顔するからー」
「していない!辞めていただいて結構です!」
「嘘ばっかりー。ホントに辞めてもいいのかー?柿崎がそんなに嫌なら辞めるぞ、俺」
「う゛、うっ!」

その真剣な顔はなんだ。
仕事でもそんな顔をしないくせに・・・!

「ほらな。俺のこと大好きなくせに意地っ張りだなー」
「澤さんは、自分勝手です!」
「そうかもなー。でもお前はそんな俺のこと大好きだもんなー」
「違います!」

少しだけ、本当に、本当にちょおおおおおっっとだけ寂しいとか思ったけどやっぱり気のせいだった。
澤匡はどこまで行っても澤匡だ。

「あ、今度お前の中に俺の挿入していい?」
「・・・ん?」
「だから、お前のお尻の穴に俺のを挿入すんの」
「・・・・・ん?」
「俺のペニス、ちんこ、竿、肉棒。OK?」

地獄に堕ちろ。




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