終わらない

やめられない
美味しい
Present for miesan


夜が短いこの季節が俺はあまり好きではない。

「じゃぁ次は来週?」
「そうだな」
「少しは別れを惜しんだらー?」
「十分惜しんでるよ。もうすでに来週が待ち遠しい」
「嘘ばっかり。可愛くないの」

じゃぁね、と俺に手を振る恋人を駅まで見送る。
恋人が見えなくなるとタクシー乗り場に移動してタクシーを拾う。
目的地を伝えてから携帯を開いて電話を。
いつだって俺の予定が優先。

『ん、どうしたんです?』
「寝てた?」
『いえ、少し転寝をしていただけなので』
「今から行くから」
『今からですか?』
「そ。準備しといて。いいでしょ?」
『構いませんけど、明日仕事なんじゃないんですか?』
「嫌ならもう行かない」
『本当にずるい人ですよね』

携帯を閉じて通話終了。
恋人ではないのだ、何を気にすることがあるだろう。
全てがその程度、この関係が心地いい。
来週の約束が待ち遠しいのだって嘘じゃない。
何も知らずに俺を好きでいる恋人は世界で一番愛しい。
そうだな、浮気相手の彼はこの季節のクーラーぐらいには愛しいかもしれない。



タクシーを降りてもう行き慣れてしまったマンションへ。
インターフォンを慣らせばラフな格好をした幸康さんがお出迎え。

「デート帰りにウチなんか来て。見つかっても知りませんよ」
「大丈夫。十分に愛し合った後」
「つまり僕は酷いことをされるんですね」
「そーゆーこと。嫌?」
「大歓迎です」

さすがに分かってる。
寝室につく前に幸康さんは裸になった。
ズボンの下には下着を穿いていなかった。
準備が良い。
手を拡げていつでもどーぞの合図。
とりあえずベッドに蹴り飛ばしてやった。
髪を引いて、それから幸康さんの顔を自分のペニスの前に。

「口でやって。手は使わずに」
「あ゛、は、はいぃ」

舌と歯でファスナーを下げて、それから口を股間へ埋めて行く。
舌でペニスを下着の外へ取り出してリップ音。
幸康さんは満足そうな顔をしながらペニスを口へ含んだ。
さすがにボタンを口で外されるのは俺もごめんなのでそこは自分で。
自分のスーツに傷ができるのは嫌だ。

「あ、幸康さん顔あげて」
「ん゛あ゛、う゛うぅっん、ん!」

無理矢理顔を引き上げてキスと言うよりは口の中を舐める。
この行為に意味を見出せないでいる幸康さんは間抜け面を晒していた。

「恋人に突っ込んだままだったなーって」
「恋人の味がしました?」
「全然。幸康さんの味しかしなくて残念だった」

顔面に唾を吐いてやる。
そんなことをされても喜んでいる幸康さんはド変態だ。
乱暴に扱われるのも自分の痴態を晒すのも大好き。
口の中にまたペニスを突っ込んでやる。
俺はスーツのポケットから煙草を取り出して一服。
恋人とヤった後なのだ。
物足りない気はしてもペニスが勃起するのに時間かかる。
幸康さんのペニスはそうではないらしくすでに上を向いて先走りを零していた。
そのはしたないペニスを蹴りあげてやったら顔が歪んだ。
いい顔する。

「慣らすのめんどくさいから自分でやって」
「ふぁい、んっ」
「何?恋人と御無沙汰だったわけ?」
「は、んんっしゅっちょ、れ、んっいないんれふ」
「なるほどねー」

恋人は帰って来てから幸康さんの薄くなった精液を見て何を思うんだろ。
自慰をしたとでも言うんだろうか。
ホント詰めが甘いな。
俺なら自慰だって禁止させるし毎晩アナルを写メさせる。
こんな変態と付き合って、何を信用するんだ?
陰毛剃らせたりアダルトグッズの趣味は似ているとは思うんだけどな。
あぁ、愛の差ってやつ?
俺も自分の恋人には甘いからな。
涙を浮かべながら俺のペニスを喉に咥えて、片手でアナルを解している幸康さんに煙を吹きかける。
煙たいし苦しいだろうに、やめない。

「ふは、変な顔。そんなにしゃぶって楽しいの?」
「うんっ、んっおいひぃ、れす」
「ははっ!そう、俺のペニスが美味しいんだ?」
「う゛あ゛あ゛っ!ひぎっい゛!」

幸康さんのペニスを床で擦るように踏みつけてやった。
背を反らせてヒィヒィ言ってる。
面白いほど身体を跳ねさせて、容赦ない俺の足を震える手で掴んでる。
もっとしてほしいのかと思ってさらに強く踏みつけた。

「あ゛ががが!あ゛ぁ!はい゛だにざん!」
「あははははっ!幸康さんのペニス、ガチガチじゃん」
「い゛い゛ぃ・・・!」

さすがに潰れちゃったらこれから先俺が面白くないから足を退ける。
幸康さんのペニスはへたりと床に落ちるのではなく、ピンっと上を向いた。
俺の足に縋りついている幸康さんの頭を持ち上げれば恍惚とした表情で俺を見た。

「きもち、よかったです」
「あっそ」
「もう、もう、我慢できないんです。アナル拡げてください」
「何で?」
「灰谷さんの、灰谷さんのペニスでいっぱいにしてほしいです」
「強請るなら強請るでやり方ってあるよな?」
「あうぅっ!」

俺は幸康さんの頭から手を離して煙草を消した。
つっても煙草はもうフィルターしか残ってなかったんだけど。
幸康さんはのろのろとベッドに上がってくる。
そしてうつ伏せになると腰を上げてアナルを開いた。

「僕の、僕のアナルに灰谷さんのペニスください。中で精液出して、中にいっぱい精液出して下さい」
「俺その誘い方嫌いじゃないよ、はしたないとは思うけど」
「んああああ!あひん!あっああぁ・・・!灰谷さんのがぁ!」

一気に奥まで押し込んだ。
滑りが悪いからベッドサイドからローションを手にとって幸康さんのアナルへぶっ掛ける。
ずるりとペニスをカリまで抜いて、俺のペニスにもローションを塗る。
これでいくらか動きやすくなった。
がつがつと、幸康さんの腰が壊れるんじゃないかってほど腰を振る。
乱暴、その言葉がしっくりくる。

「あ゛ん!あっあっ奥、あっ奥ぅ!」
「気持ちいいんだろ?」
「いい、いいれす!あっあん!ああぁっあっあっ!」
「まだ、イくなよ?」
「ひぃん!あっあ゛あ゛ぁっペニス、ペニスがぁ、んあぁ!」

腰を震わせて、イきそうだった幸康さんのペニスに爪を立てる。
ぎりぎりと尿道に爪を立てれば大量の先走り。
逆効果だったか。
でもまぁ穴を塞げたからそれでいい。

「ひん!ひあ!あん!あぅっあああ!」
「自分で乳首抓って。思いっきり」
「はひぃ!あぁ、あ゛あ゛あ゛・・・!」
「ん、締まる。それいい」

幸康さんは思いっきり乳首を引っ張って、少し休んで、また思いっきり乳首を引っ張った。
その度にアナルが締まっていい感じ。
幸康さんのペニスをさらに思いっきり握りこんでラストスパート。
ソレに気付いた幸康さんは嬉しそうな顔。
中出しされるのが楽しみで仕方がないらしい。
そんな顔されたら中出ししたくなくなるけどそんなことをすればきっと幸康さんは怒るに違いない。
お互いを性癖を分かった上での行為なんだから。

「はぁ、イきそう」
「灰谷さんっあっらしてぇ!奥、おくにらしてっ、くらさい!ああん!」
「全部出してあげる。んっ!」
「ふああぁぁ!あちゅいぃん!」

最後まで絞り取るように幸康さんは俺のペニスを締め付けた。
奥に全て出して、それからペニスを抜く。
また煙草に火を付けて、今度は幸康さんがイくのを見てやる。

「あぁ・・・れてくるぅ・・・あっあぁ!」
「ほら、さっさとイけよ。見ててやるんだから」
「ああぁ!灰谷さんの、あっ精液れてくるぅ!見てて、僕を見て下さい!あっあぁっイくぅ、イく!ひああぁぁ・・・」

ビュルビュルとシーツに水溜りを作るほど大量に幸康さんは射精した。
もちろんアナルからは俺の精液を垂れ流して。
余韻に浸る幸康さんの顔はどこを見ているのかわからない。

「幸康さん、俺のペニス綺麗にして」
「ふぁ、あ、はいぃ・・・」
「ちゃんと綺麗にして。それで俺の勃起させられたらまた中出ししてあげる」
「本当ですか?絶対ですよ?約束ですからね?ね?」
「あぁ、いいよ」

嬉しそうに笑って、幸康さんはまた俺のペニスを口に含んだ。
終わらない行為に笑っているのは幸康さんだけではない。




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