占いの中には、“顔相学”といって、顔付きから、運命を占うものがあるという。
この度、一行も占って貰った訳だが。
「引っ込み思案だって。……当たってる」
「俺は切れ者だったが」
「ドンピシャじゃねぇか。俺なんか、乱暴者だとよ!」
「……当たってるな」
ほぼ同時に言い、ライとリョウはガイラスへ目を向ける。本人は否定しているがガイラスも的確と言えよう。肩を怒らせながら不快を示す様は、正に乱暴者のそれだ。
「ねっ、ニノは? なんて言われたの?」
「ああ、“むっつりスケベ”だってさ」
その言葉に、ニノを除く三人が目を見合わせた。宛も疑問そうに首を傾げている。
「リョウ、むっつりって……」
「辞書に因れば、色事には寡黙であるが実の所、好色な人間を指すな」
「……当たってねぇじゃねぇか」
「あ? なんだってんだよ。あんたら」
根っからのお調子者。また楽天家な所為か、仲間らの反応を擁護と取ったらしい。
気を良くしてニヤけた、その直後。
「ニノは“はっきり”スケベだろ!」
三人同時、一字のズレ無く声を揃えた。
正しくこれこそ、言い得て妙。聞いた途端、ニノはガックリと項垂れるのだった。
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