小説(雷霆/番外編) | ナノ

占い、その後で


 占いの中には、“顔相学”といって、顔付きから、運命を占うものがあるという。

 この度、一行も占って貰った訳だが。

「引っ込み思案だって。……当たってる」

「俺は切れ者だったが」

「ドンピシャじゃねぇか。俺なんか、乱暴者だとよ!」

「……当たってるな」

 ほぼ同時に言い、ライとリョウはガイラスへ目を向ける。本人は否定しているがガイラスも的確と言えよう。肩を怒らせながら不快を示す様は、正に乱暴者のそれだ。

「ねっ、ニノは? なんて言われたの?」

「ああ、“むっつりスケベ”だってさ」

 その言葉に、ニノを除く三人が目を見合わせた。宛も疑問そうに首を傾げている。

「リョウ、むっつりって……」

「辞書に因れば、色事には寡黙であるが実の所、好色な人間を指すな」

「……当たってねぇじゃねぇか」

「あ? なんだってんだよ。あんたら」

 根っからのお調子者。また楽天家な所為か、仲間らの反応を擁護と取ったらしい。

 気を良くしてニヤけた、その直後。

「ニノは“はっきり”スケベだろ!」

 三人同時、一字のズレ無く声を揃えた。

 正しくこれこそ、言い得て妙。聞いた途端、ニノはガックリと項垂れるのだった。
 



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -