長編 | ナノ
8.受け継ぐもの
こちらに来てから平和ボケするほど穏やかな日々を過ごしていたが、忍隊の密偵がある情報を掴んできた。
隣国に動きあり、と。
どうも宇都宮が進軍の準備を始めているらしい。
ついに戦が起きる。
幸村様は、兵たちを集め戦のことを告げた。
「皆の者、よく聞いてくれ。近々、宇都宮軍がこちらに進軍する準備を始めているという情報が入った。もちろん易々とこの地に攻め入らせるつもりなどない。よって、こちらからも進軍し、迎撃いたす。」
「敵軍とすれ違い、なんてことがあっちゃおしまいだから、そこは俺様たち忍隊が、むこうの進軍経路を随時徹底調査するってことで。そこはご心配なさらず〜。」
「うむ。任せたぞ。我が軍の進軍開始は二日後の夜明けとする。皆、よろしく頼む!」
「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」
兵たちの勇ましい掛け声が響いた。
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