【ぜろ】


 黒い幽霊の意志は、弱者の意志だ。ノーマルにもESPを普及させ、全ての人類から格差を奪う。それが僕らの目的である。

 そして、その為に黒い幽霊はクローンを開発する事にした。彼らの超能力中枢とレアメタル、そしてザ・チルドレンのブーストの技術を応用し、目的に近づこうというわけだ。
 その研究は僕に一任されている。だから作られていく彼らは、僕のDNAを穀物の遺伝子組換えさながらに改良した、正真正銘僕から生まれた僕の為の道具だ。
 まあ、今はまだテスト段階で、僕から作った受精卵から生まれる、クローンというよりむしろ僕の子供と言った方が近いような代物だが。

 しかし、研究は進んで行くだろう。いつかはしっかりとクローンらしいクローンを製作する事が出来る様になるはず。
 そうして、それらで様々な試験を繰り返すことにより、黒い幽霊は人類の平和と言う名の病の蔓延という夢に一歩、いや、何歩でも前進するだろう。

 そういうわけで先ずは第一作目。プロトタイプとも言えぬ様な、準備の準備段階。仮にテストタイプとでも言おうか。要は試作が、本日完成した。

「ふ、う、うぇぇ……」

 しかし、この試作号には重大な欠陥があり。

「なんだ、これは……」
「う、うぇ……びぇええええええん!!!」

 『ソレ』は、赤子も同然だった。



*モブ夢主です。最終的に死にます。ちょっと後味悪い終わりです。
*時系列はユウギリ(プロトタイプ)が生まれてくる前辺りを想定しております。
*でもチルでの彼女の扱いはよく分からないので、あまり深くは考えておりません。
*矛盾が生じていたらすみません。以上を踏まえた上で、どうぞご閲覧ください。





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