明日の君は [2/3]


『ひよ里さん、明日からの任務って私じゃなきゃダメなんですかね』
ひよ里さんも私も布団に入っているけれど、目を閉じて眠るには少しだけ眠気が足りない気がする。
ぼーとしながら天井を見ていてふと思ったことを口に出してみれば、隣にいるひよ里さんが、呆れたような顔をした、気がした。

「そんなん今言ってどないすんねん」
一週間前から決まっていることだと投げ捨てられるように言われてしまう。

『私、頑張って早く終わらせてくるから、今回の出張任務が終わったらまた甘味処に行こうね』
「ハゲシンジ抜きなら考えとくわ」
ごろりとひよ里さんの方を向いてみれば、布団からいたずらっ子のような、でも暖かな陽だまりのような表情のひよ里さんと目があった。

「真子がおるとなまえ話さんくなるからな」
『そ!…んなことないよ』
ニヤリ。チャーミングポイントの八重歯を見せて笑うひよ里さんにびっくりして言葉が詰まってしまった。

「甘味処は真子と行ってきー。なまえが帰ってきたら今起こってるゴタゴタも終わっとるはずやからほかの奴らも呼んで飲みに行くで」
真子がおっても話せるんやろ、と楽しげな表情は有無を言わせないかんじで、思わずこくりと頷いてしまった。



**********



『お、はようございます、平子隊長』
「おはよーさん」
任務の準備をするからと、早めにひよ里さんと別れて自分の部屋へと向かえば、私の部屋の前に平子隊長がいた。
いつもよりも楽しげに、笑う平子隊長にどきりとしてしまう。

「朝っぱらに、ここで待ってろっちゅう知らせが届いてな」
ひらひらと伝令神機を見せながら言われて、ひよ里さんの仕業だとすぐに気づいた。

「なんや楽しみやな〜」
体を左右に揺らしながら、口端が顔の端っこまで届くんじゃないかってぐらいニコニコしてる平子隊長にちょっとだけ、ほんの少しの淡い期待を持ちながら伝えることにした。



『私が任務から帰ったら、二人で甘味処へ行きませんか』




− 2 −

PrevNext

bookmark

back



▲top


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -