アパート

レンガ調の二階建てのアパート。
目の前には大型スーパーがあり、駅から歩いて十分と便利な立地。
ここがマイアミ行きを実現するために二人で借りたアパートだった。
あの副島さんの申し出から部屋を借りたり、家財道具を揃えたりと、まるで僕が抱いていた不安を打ち消すかのように全てが急激に話が進んだ。
ここまで実行力のある副島さんを疑う材料はもう何ひとつない。
僕はすっかり信じ切っていた。
ところが、タイミングの悪いことに副島さんの転勤が決まった。
転勤といっても今の店からそう遠くない場所であった。
だからアパートから通えない距離ではなかったが、副島さんは「店の場所、実家の方が近いから仕事が落ち着くまで一人で住んでなよ」と言った。
僕は少し不安に感じたが、副島さんに言われるまま一人でアパートに入居した。

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