一





今日は朝からやけに蒸し暑い。いやはや、今の時期は夏でもないのにねぇ?地球温暖化だからなのかねぇ?…暑いのが苦手な私は当然ながらバテてる訳で


「おい、忍野」

『あっれぇー?どこからか、阿良々木くんの声が聞こえるではないかー』

「どこからかって、目の前にいるだろ!」

『元気いいねー、何か良いことでもあったのかい?』

「あえて言うなら、目の前の女子が鉄棒に足を引っ掛けて逆さまになって、そのおかげでスカートがめくれていることかな」

『……』

「でも、けしからん!そのスパッツがけしからん!」

『あー、私はスパッツを穿いていてこれほど良かったと思った事はないね』

「ま、まぁ…そんな冗談は忘れようか忍野」

『あれ?今のは冗談だったのかい?本気のように聞こえたのだが…ふーむ。ま、いいさ。で、阿良々木くんはどうしてこんな所にいるのかな?』

「人気のない公園の鉄棒でぶら下がっているお前の姿を見つけたもんだからな、自転車ですっ飛んできた」


つまり、阿良々木くんは学校帰りにたまたま私を見つけたってことだね?


「あぁ、そういうことだ。ていうか、お前昼から活動するんだな」

『いやいや、普段ならしないさ。今日は別、暑苦しくて寝れなかったのだよ』

「…なるほどな」

『私からも質問させてくれないかい阿良々木くん』

「おう!」

『たまたま私を見つけたのは分かったのだがね。君は私と兄に苦手意識をもっているんじゃないかな?』

「……まぁな」

『それなのに、たまたま私を見つけ、そのまま私の目の前に現れたというのはどういう事なんだい?たまたまなら、そのまま無視して帰れば良かったんじゃないのかい?』

「お前が昼から活動することに驚いたから、かな」

『ふむふむ、なるほど。理解したよ阿良々木くん』


くるんっと鉄棒を回り、ひょっいっと、地面に着地した






 
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