木の上を移動するイルカ。同じようにナルトも木の上を移動していた
「ナルト!!早く!!巻物をこっちに渡すんだ!!ミズキが巻物を狙ってる!!」
ナルトはイルカに向って体当たりをし、地面に着地してナルトは木にもたれた
「……そ…そんな、どうしてだ…ナルト…」
イルカに変化していたミズキは変化を解いた
「どうしてイルカじゃないと分かった…!!」
「へへへへ」
ナルトに変化していたイルカも変化を解いた
「イルカはオレだ…」
「…なるほど」
ミズキは立上り、イルカを見下ろした。ナルトと七実はイルカ達の近くの木に隠れていた
「ククク…親の仇に化けてまで、あいつらをかばって何になる」
「お前みたいなバカ野郎に巻物は渡さない」
「バカはお前だ。ナルトも七実もオレと同じなんだよ」
「……同じ?」
「あの巻物の術を使えば、何だって思いのままだ。あの化け狐と化け物が力を利用しない訳がない。あいつはお前が思っているような…」
「ああ!」
イルカの返答にナルトは眉を寄せ、七実はというと無表情のままだった
「化け狐ならな」
「!」
『?』
「けど、ナルトは違う。あいつは…あいつはこのオレが認めた。優秀な生徒だ…努力家で一途で、そのくせ不器用で誰からも認めてもらえなくて、あいつはもう人の心の苦しみを知っている…今はもう化け狐じゃないし化け物なんかじゃない」
ナルトは七実の冷たく冷えた手を強く握った
「あいつは木ノ葉隠れの里の…うずまきナルトだ」
横でナルトが声を殺し、泣いていた
『(ふふっ。そう、ナルトは違う。ナルトじゃなくて化け物なのは僕)』
僕は化け物。ミズキ先生が言うような化け物ヨ