いつもの通りに、仕事を終えた僕達は依頼者に報告するついでに街に寄った。
ずっと森の方にいたから久々に野宿から解放され、ほっとする。

「今回のは難しかったよ…」
「うん、どこにいるか特定しにくかったからね…」

生物は大きく人間と魔獣に分かれる。
魔獣の中には種族があり、それぞれが領域をもって暮している。基本的に干渉することはないが人間に危害を加える魔獣、それらを倒していくのが僕らの仕事だ。勿論、討伐依頼だけではないけれど。

僕の隣でトボトボと疲れた顔をして歩いているのはユメ。
依頼の内容が少し難しかったのに、ユメが頑張ってくれたおかげで達成することが出来た。無理をさせすぎちゃったと、反省してる。

「でも良かったねユメ。丁度ルネもこの街にいるらしいよ」
「え、本当」

ぱっとユメの顔が明るくなる。ユメはよく顔に出るから面白いしすぐにわかる。僕の親友は、もう一人の親友ルネの事が好きだ。僕は二人の事が好きだし、うまくいってくれればいいと思っているけれど、これがそうもいかないらしい。
ユメの話を聞く限り、どうもルネはユメをそういう対象として見ていないとか。まぁユメもルネも親友だから…しょうがないのかもしれない。


辺りは夕暮れで、街がオレンジ色に染まっていく。足取りが重いのか、街に入ってからずいぶん歩いた気がした。

「あ、やっと着いた此処だよ」
疲れたねとユメと話しながら宿に入り部屋を取った。ユメは少しあたりを見渡してルネを探しているようだった。先に部屋に入ると、僕はベットに吸い込まれたかのように倒れる。

「ふぅ…」
目を開けると天井が見えた。真っ白くて、明かりが所々に反射してまぶしい。ベットから離れようと思ったけど、一回休むとさっきまでのようにうまく体を動かすことが出来なかった。体が重いってこういう事をいうのかな。

「大丈夫?クロ」
「あぁうん。おかえり、ルネいた?」
「ううん」

そういってそそくさと荷物をおろしユメもベットへダイブした。

「っあー!野宿ってやってる時は大したことないけど、こうして横になると体力奪われてたんだって思うよ。体バキバキいう」
「ちゃんとほぐしといたほうがいいよ」
「あははソプノさんにやってもらってたの懐かしい」

昔はもっと大人数で旅をしていた。そのメンバーの一人、ソプノさんという人は戦闘もそれこそできるが、補助力に長けていた。今は修行も兼ねて二人で依頼をこなしているけれど、そのうちまた合流するだろう。
ユメが起き上がり肩をまわしていると、こんこんとドアを叩く音が聞こえた。自然に目線がドアに向かう。

「はーい?」
「ユメ?」


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