夢のその先へ2

後日談その2。
※R18




いつもはハンクがドーナツを食べると「ハンク!なぜわざわざカロリーが一番高いものを選ぶんですか!」と小言を言うコナーが、珍しくハンクが2個目のドーナツを食べても何も言わないどころか自分のデスクで電子書籍を熟読していてそれに気付いてもいない。ハンクはこれ幸いと3個目のドーナツに手を伸ばしているが、ハンク大好きコナーがハンクよりも何かを優先することなどそうないため、一体何を読んでいるのかと興味半分で覗いてみれば男性器がずらりと並んでいて息をのむ。
なぜそのようなものをこのような場所で見ているのか、そもそもその書籍は一体何なのか、実はそういう趣味があったのか、それにしてもこの雑誌はいくら何でも男性器に特化しすぎではないだろうか、男性器にのみ興味がある人向けの雑誌なのだろうか、とその場でぐるぐると考えだす私を不思議に思ったのか、ハンクが「おい、どうした?」と声をかける。しかしどう説明すればいいのかわからないため震える指でその電子書籍を指さすほかなかった。
いつの間にか箱に入っていたドーナツをすべて食べてしまっていたハンクが「何だ?」と立ち上がり、いまだに例の書籍を真面目に見ているコナーの傍に寄りその書籍を見たあと「このバカ!」と思いきりコナーの頭を殴る。まさかそんなことをするとは思っていなかったので慌てて近づくと、拳を痛めた様子のハンクを何事かという表情で見つめるコナーがいて頭を抱えたくなる。
自分のデスクから救急箱を持ってきてハンクの手当をしているあいだも「こんなとこでそんなもん見るな!」「あぁ、これですか?そろそろ入用だと思って見ていたのですが、そんなにダメでした?」「ダメに決まって…って、何だ?入用って」「えぇ、そろそろ次のステップにいきたいと考えていて」とかみ合っていない会話が繰り広げられている。そろそろ入用?次のステップ?コナーの言いたいことがわからなくて今度はこちらが首を傾げるはめに。

「恋人というのはセックスで愛を確かめると学びました。それで僕も彼女との愛をもっと深く確かめたくなり、このカタログを見ていたんですよ」

首を傾げるハンクと私に説明するように電子書籍のずらりと並んだ男性器を見せるコナー。それをデスクに伏せるようお願いし詳しい説明を求めると、深く愛しあうために必要なモノが捜査専用アンドロイドである自分にはないため、こうしてアンドロイドのセックスアタッチメント専用のカタログを見てどれがいいか選んでいたらしい。「本来ならライブラリで確認可能なのでこうして電子書籍で見る必要はないのですが、彼女にも意見が聞きたくて」と澄んだ瞳で言われて何だかもうよくわからなくなってきた。
そうだね一緒に選ぼうねとデスクに伏せられた電子書籍にふらふらと手を伸ばす私の頭を「コラ、正気に戻れ」と軽く叩いたハンクは「そういうことはふたりっきりのときにやれ。わかったな」と強引にこの話を打ち切った。「わかりました」とハンクの言うことを素直に聞くコナーをしり目に、正気に戻った私の手には負えないという視線をハンクに送るが「…まぁ、がんばれ」と肩を叩かれ絶望する。
いつかコナーと共に男性器を選ばなければいけない時がきてしまうのだろうか…。



例の男性器カタログの件があってからというもの、コナーと電子書籍と男性器に怯える日が続いていたのだが、いつになっても彼からその話は出てこない。まさかこちらから聞くわけにもいかず悶々としているときに「明日、あなたの自宅に伺ってもいいですか?」と聞かれ、ついにきたか!とまるで男性器を選ぶことを望んでいたような反応をしてしまい、それを恥じつつ非番の日に彼が家にくることを了承する。
「では13時に伺いますね」とにっこり笑う彼にそんな昼間から男性器を!?という思いと、にっこり笑ってしまうくらい私と男性器を…という思いでぐしゃぐしゃな思考を悟られないよう、こちらもできるだけにこりと笑いかけると「…明日が楽しみです」と、はにかまれてしまい、これはもう覚悟を決めるしかない。
明日はコナーのために真剣に選ぼう。彼が納得するような、立派なモノを。

そしてきたる決戦の日、顔やら部屋を小奇麗にしてそわそわとコナーを待っていると、13時丁度に呼び鈴が鳴り彼がやってきた。今日の彼もシュッとしていてとても私好みの格好をしている。
彼に靴を脱いでスリッパを履くよう促してから部屋に通し、とりあえずブルーブラッドでも飲んで一息ついてと取りに行こうとしたのだが「いえ、結構です」と断られ、一息つくよりも先に男性器を選びたいのか!?と動揺するも、そのために家にきたのだから一刻も早く選びたいのだろうなと思い直し椅子に座るよう促す。しかしそれも彼に「いえ、椅子ではなくベッドがいいのですが…」と伏し目がちに訴えられ再び動揺することとなった。ベッドで男性器を選びたい?しかも私と一緒に?となる中で目に入ってきた彼の真っ赤なLED。そういえば口調も敬語だ。私も緊張しているが彼も緊張しているのかもしれない。
これから自分の身体の一部になるものを決めるのだ。緊張もするだろう。そう思うと自然に彼をベッドまで案内し、こちらを窺いながら座る彼に寄り添うことができた。彼はLEDに手を当て目を閉じているが、電子書籍関係の何かをしているのだろうか。…そういえば電子書籍はどこにあるのだろう?見た感じ手ぶらだが。不思議に思って彼を見上げるとなぜか密着しているところから服越しに熱を感じ、さらに不思議に思うことが増えてしまった。そのことについても聞こうと口を開けば、それに合わせたように彼の唇で塞がれる。まさかキスされるとは思っていなかったので舌の侵入をぬるりと許してしまう。
激しく動き、絡まる舌に翻弄されくたりとする私をいとも簡単にベッドに押し倒すコナー。散々口内を犯し、ゆっくりと上体を起こして口の端を伝うどちらのものかわからない体液を舐めとる彼はまるで息があがっているかのように肩を上下させている。

「キスがこんなにも気持ちいいものだったなんて…こんなことなら常に感度をあげておけばよかったな」

ほわっと目尻を下げそんなことを言うコナーに一体何のことだと聞くと「セックス用アタッチメントを使用する際、普段の感度では機能しない恐れがあるため感度をあげるよう説明書に書いてあったので、先ほど感度をあげたんですよ。それとあなたが不快な思いをしないように体温センサーもONにしておきました」と夢見心地な表情で答える。あぁ、だから服越しに熱が伝わってきたのかとふにゃふにゃ言うと「はい、これなら肌を合わせても平気でしょう?」と私の頬に触れる。普段のひんやりとした感触も悪くないけれど、このように彼自身の温かさを感じられるのも悪くない。彼の熱をもっと感じたくて頬を擦り寄せると「感度をあげたことによってあなたをより感じることができるようになったみたいだ」と指で頬の感触を確かめている。
しばらく私の頬の感触を確かめていたコナーが「すみません…もう一度、いいですか?」とうずうずと何かを訴えてきて、何がもう一度?と聞く暇もなく再び唇に食らいついてきた。さきほども惚けてしまうくらいした激しいキスをもう一度、時間をかけてゆっくりと再現され頭も身体もくったりしている私を、荒く息を吐きながら見下ろしているコナーは熱に浮かされたような顔をしている。はぁはぁと息を吐いているように見えるけれど、これは本当に空気を排出しているのだろうか。それとも人間を模しているのだろうか。ぼんやりと見上げつつそんなことを思う。
ぼやっとしている私がそのようなことを思っているなど思いもしないコナーは、彼にしては荒い手付きで私の服にあるボタンを上から順に外していく。何だか必死だなと思っていると、すべて外したのか今度は中に着ているキャミソールをたくし上げ、ブラジャーを外そうと四苦八苦し始めた。それは前からではなく後ろから外すものなのだけど…と思っているところでハッとした。この人は一体何をしているのだと。

「何をしているのか…?セックスですけど…?」

下手したらちぎられてしまうのではないかと思うほど強くブラジャーを触り始めた時点でその手を掴み何をしているのかと強めに聞くと、当然のようにセックスという言葉が返ってきて呆れる。まだ男性器を選んでもいないのに何を言っているのか。そのことを指摘すると「もう選びましたし、頼んで無事届きましたが…ほら」と身体を起こし、何事かと上体を起こす私の前で膝立ちで脱ぎにくそうな細身のジーンズと下着を一緒に下ろした。「うっ」と声をあげるコナーと共に目の前に現れたそれはもう既に立ち上がっていて、先端から何かがにじみ出ている。…そういえば先ほどの彼の言葉に、セックス用アタッチメントを使用する際の何とかというのを聞いたような気がする。彼はもう男性器を自分で選んで買っていたことを私に伝えていたのだ。
アタッチメントに気付かなかったことを詫び、ちゃんと選べてよかったと言うと「いえ…別に、気にしてませんから…。それに、ハンクに自分で選べと怒られたので…」とぼんやりした返事が返ってきて疑問に思う。いつもならもっとハキハキした話し方なのに一体どうしたのだろうか。
具合でも悪いのかと心配すると妙に切羽つまった声で名を呼ばれ、やはり具合が悪いのかと思うと同時に「もう…いいですか?このままだと、苦しくて…」と言われ、何のことだろうと思いきり首を傾げたときに視界に入った彼の男性器を見て把握した。彼はこの限界まで反応しているモノをどうにかしたいのだ。
きっとセックスでどうにかしたいのだろうけど、こちらは男性器を選ぶものだとばかり思っていたためいろいろと準備が足りない。しかも、もしセックスすることになったとしてもこの状態では挿入する前に果ててしまうと思う。それならば手淫で満足してもらうのが互いに一番いい方法だろう。
中途半端に下げたジーンズを握りしめ必死に耐えているコナーに近寄り、いまにも弾けてしまいそうなほど張りつめている男性器を触ると、なぜそのようなことを?と言いたそうにしている彼と目が合う。こういうことは慣れてないので痛かったらその都度言ってほしいと言うと「えっ…あっ、はい…」とよくわかっていないだろう返事をする彼が何だかかわいく思えて、俄然やる気がわいてきた。きっと彼にとっては初めての体験だ。気持ちよく終えてほしい。

痛い思いをさせないように細心の注意を払って男性器を握る。すると悩ましげに眉を寄せ腰を引こうとするコナー。それを腰を後ろから抑えるようにして阻止し、大丈夫、怖くないと宥めつつもう一方の手をゆっくりと上下させ刺激を与える。その拙い手の動きのよって「あっ…な、何で…こんなっ…」と身もだえる彼を見ているともっと気持ちよくしてあげたいという思いが膨れ上がり、手の動きも早く、そして大胆になっていく。
はじめは滲んでいる程度だった先端の液体も手の動きが早くなるにつれ、とぷとぷと溢れるように流れ出し、私の手や自身の男性器を濡らしていく。それが潤滑油代わりとなり先ほどとはまた違った刺激を与えているらしく、コナーは「あっ…あっ!んっ…!」と大きく喘いでいる。途中から手の甲を噛んで声を抑えているようだがあまり抑えられていない。そこがまたかわいい。
そろそろ射精しそうなのか、私の名前を呼びながらいやいやと子どものように首を振る彼に大丈夫、気持ちいいことだから怖くないと優しく言い「んっ、あっ、何か、出ちゃ…あっ…!」と未知の感覚に恐れを抱きながらも腰を緩やかに動かすコナーのその今にも爆発しそうな男性器の先端を指で軽く刺激した。そうすると両手の甲で目や口を覆っていた彼が「あっ、あっ!あぁっ…!」とひと際大きな声をあげ、男性器から白い液体を噴き出した。
…この白い液体は一体何なのだろう?精液の代わりではあるのだろうけど、人間のものとは違うだろうし。アタッチメントに搭載された機能なのだろうか。

「あぁ…それは人間の精液を模倣して、体内のブルーブラッドを白く粘りのある液体に、このアタッチメントが変換しているんだよ…」

私の疑問をぼんやりと解決してくれたコナーは、射精による気だるさや初めての快感に関するデータを処理するためベッドで横になっている。あの精液を模したものがブルーブラッドならば、大量に放出してしまったことによりブルーブラッドが不足しているのでは?と聞くと「いや…あれくらいでは、不足しないよ…」とふんわり笑う。この笑顔を見て彼のこの初めての体験がいいものとして終わったのだとわかり、とても嬉しく思う。満足できたみたいで本当によかった。
しばらくのあいだふにゃりと横になっている彼の頭を撫でていると「…データ処理完了。さぁ、続きをしようか」と彼がすっきりとした表情で起き上がり、何事かと目を丸くする私をうまいことベッドに押し倒してきた。あの満足そうな表情はどこにいったのか、今はもう何かを期待しているような顔をしている。
今日はコナーの男性器を選ぶのものだとばかり思っていたため続きと言われても心の準備どころかムダ毛などの身体の準備すらしていない。それにまだ外は明るい。そういうことは夜するものだと相場が決まっている。と、先ほどボタンを外されたままで露出しているブラジャーに手をかけている彼に抗議するも「…僕は今、君とセックスがしたい。初めてのことで取り乱す僕を優しく先導してくれた君と」「君に僕の愛を受け取ってほしいんだ。さっき君がくれた無償の愛のように、僕も君にありったけの愛をおくりたい」と真剣に言われてしまい、これはもうするしかない。セックスを。という状態になってしまった。まぁ、ダメ押しのように呟かれた「…ダメ、かな?」が決め手になったというのもあるが。

先ほどのブラジャーに苦戦するコナーを思い出し、服を脱いで胸が見えないようにブラジャーを外しながらも手でガードする私に「なぜ?僕がまだ服を着ているから隠すのかい?」と服を脱ぎだす彼にこんな状態にもかかわらず微笑ましく思ったり、上半身裸になった彼の胸元よりしたの部分が膨らんでいて「あぁ、それはシリウムポンプだよ。人間でいうところの心臓だ」と事も無げに言う彼に一抹の寂しさを覚えたり、「…動きづらいな」と脱げかけているジーンズや下着も早々に脱いでしまう彼に潔さを感じたり、ベッドに再度仰向けに寝転がってもなお胸を隠している私に「僕はもう隠していないのになぜ?君のすべてが見たいんだ」「えっ、恥ずかしい?…そう」と不満げにキスをするのをかわいく思ったり、キスが好きなのか軽いキスも深いキスも散々やりつくし、くったりしている私の名を呼んで「もう一度…ねぇ、もう一度だけ…」と目をとろんとさせてキスをねだる彼になぜか母性本能がくすぐられたりと、感情の波が激しいながらもお互いに愛をおくりあう。普段と違い余裕のない彼が愛おしくてたまらない。
しかし私とて長年恋人すらいなく、このようなことはご無沙汰だったため余裕はない。なので何度も何度も繰り返される濃厚なキスでふやふやになり、もう何も聞かず本能のままに行動するコナーが胸を隠す手を退けてその胸に触れ始めてもただただされるがままになっている。「こんなに柔らかいなんて…」「なぜ…?でも、気持ちがいい…」と思ったことをそのまま口に出す彼に羞恥を覚えて手の甲で顔を覆うと「隠さないで、君の顔が見たい」とはっきり言われ、顔を隠すこともできずに羞恥と戦うはめに。目を閉じても興奮した様子で私の胸の触り心地を口にするので本当に逃げ場がない。
キスのように時間をかけて胸を揉み、乳首に触れたり、つまんだり、口に含んだり、舐めまわしたりしたコナーは、羞恥で今にも死にそうな私の唇をついばみつつ、用をなしていないスカートの裾から手を入れ太ももを撫で始める。しまった!と思う暇もなく下着の上から局部を触られ「…濡れているね」と耳元で囁かれてさらに下着を濡らしてしまう。きっとセックスに関する知識をどこからか仕入れてきたのだと思うけれどこれは反則だ。そんないい声で囁かれたら身も心もぐずぐずになってしまう。
腹の奥がコナーを欲して疼きだし「…脱がせてもいい?」と聞く彼に頷き、裸になったところでここにあなたの指を入れてほしいと彼の手をその期待に濡れそぼっているところに導くと、驚いて目を丸くする彼がこちらを見ていた。今まで受け身だった私の豹変に戸惑っているのだろう。指を入れることなくその丸い目で私を見ている。そんな彼に焦れて自ら彼の指を掴み中へ埋めていくと「えっ…あの…」とあきらかに動揺しているが、申し訳ないけれど今は彼に構っている暇はない。キスや前戯で焦らされたこの身体に余裕などあるはずがないのだ。

「ごめん…もう、無理だ…君とつながりたい…」

はじめは茫然としていたコナーも私が彼の指を使い気持ちよくなっているのを見て興奮したのか自分から指を動かし始め、それに反応して声をあげる私に「気持ちいい?」と聞き、私の気持ちいいところを探ってくれるようになった。自分より太く長い指が中を行き来しするだけでかなりの刺激なのに、それを大好きな人が私のために一生懸命やってくれている。そう思うだけで腹の奥が甘く疼き、彼の指を締め付けてしまう。
しかし私があまりにも気持ちよさそうにしているからか、それともほかに理由があるのか知らないが、コナーが自分から指を動かし始めてまだそれほど経っていないのにもうそのいきり立つモノを挿入したいと懇願してきた。せめてこの指で完全に気持ちよくなるまではと首を横に振ったのだけど、そんな私の頬に口づけ、唇を吸い、下唇を甘噛みし、「お願いだ、君とひとつになりたい…深く愛し合いたい…僕の愛を、君に…」と目尻も眉尻も下げ懇願してくるものだからOKせざるを得なかった。
私はコナーのこの今にも叱られた犬のようにくぅんと鳴きそうなコナーに弱いのだ。

私が頷くと同時に今日一番の笑みを浮かべるコナーに思わずこちらまで笑顔になると、その顔を見た彼が私の額に自分の額をこつんと付け「…君を好きになることができてよかった」と呟き、唇を重ねる。今の今までくぅんくぅんとかわいく鳴いていた彼が急におとなの男になるものだから胸のときめきがとまらない。「じゃあ、挿入するよ…」と頬にキスをし、ゆっくりと彼の大きなモノが中に入ってくるまでそのときめきはとまらなかった。
というわけで、先ほどの指とは比べ物にならないくらい質量のあるものが中に押し入ってきたことによってときめき状態ではなくなった私は「くっ…ぅ…」と苦悶の表情を浮かべながらもしっかりと奥まで入れ込むコナーに、太い大きい長いと喘ぐことしかできなかった。それを聞いて「これなら、君を、喜ばせる、ことがっ、できると、思って」と何かを堪えつつ律義に答えてくれる。あぁ、この人は私のためを思ってこの男性器にしてくれたんだという気持ちと、いやこんなに太くて大きくて長いモノを奥まで入れられたら頭がおかしくなってしまうという気持ちがせめぎ合い、何だかもうよくわからなくなってきた。
奥まで入れたまま動かないコナーと、次第に何も考えられなくなっていく私。彼の指を堪能している途中でこのようになったので身体は快楽に飢えていて、早く気持ちよくなりたいと訴えている。しかし彼はまた下唇を噛んだまま動かないので焦れて腰を揺らすと少ししか動いていないのに強烈な快感か身体中を駆け巡り、今まで出したことのない声が出てくる。だけど「そんなこと、を、したらっ、出て、しまっ…」と私の腰を押さえつけられてしまったため、その快感も得られなくなり涙が出てくる。
いきなり泣き出す私を彼はどう思ったのかはわからない。けれど険しい表情で下唇を噛みちぎるほどの感情がそこにあったのは確かだと思う。しかし、ちぎれたところから溢れるブルーブラッドを擦り付けるようにキスをし「ごめんっ…!」と謝りでたらめに腰を振りだす彼のそのあまりにもいきなりすぎる行動に頭が真っ白になってしまい、今度こそ本当に何も考えられない。

「あっ、愛っ…愛し、て、ぅ…あぁ、ダメだっ!」

何がダメなのかわからないけれど、何かがダメらしく悔しそうに抽挿を繰り返すコナーのガツガツとした刺激がどんどん早くなっていく。奥を突いたり肉壁に擦り付けたりとそのぐちゃぐちゃな動きに身体が反応し、喘ぎすぎて掠れた声を出しながら彼のモノをきゅうきゅうと締め付ける。するとコナーは「うぁっ!もうっ…っ…!」と私の腰を力強く掴み、勢いよく奥まで差し込んで身体を震わせ始めた。
射精している。私の中でコナーが精液を模したものを、奥に出している。私の腰を掴み、隙間なく肌を密着させ、一滴残らず擬似精液を注いでいるのだと思うと堪らなくなり、彼のモノを強く締め付け「あぁ…!」と締め付けたことによる刺激に喘ぐ彼をより感じながら果てた。
彼の瞳から零れ落ちる涙が、中にじんわりと広がっていく彼の熱が、温かくて気持ちがいい。


事後特有の気だるさと眠気の中、何やら難しい顔をしているコナーにすり寄ると「ん?」と途端に優しく微笑んでくれる彼が愛おしい。けれどなぜ難しい顔をしていたのか気になり、彼にそのことを聞くと「…本当はセックス中に君に愛していると伝えようとしていたんだ」としょんぼりと話し始めた。何でも、セックスで身体だけでなく心も愛し合うために私への愛を伝えようとしたらしいのだが、あまりの気持ちよさに何も言えなかったことを悔いているため難しい顔をしていたらしい。密かに私とのセックスがよくなかったせいでそんな顔をしているのかもしれないと思っていたので、違う理由でよかったと胸をなでおろしたのはここだけの秘密だ。
一体何を見てそのようなことをしたいと思ったのか知らないが、セックス中だと余裕がないため、もしかしたらコナーの愛に答えられないかもしれない。それならこうしているときに言ってもらえるほうが嬉しいし、私もコナーに愛を伝えることができる。と彼を緩く抱きしめながら言うと「そうなのかい?」と思ってもみなかったというような反応をしつつ、抱きつく私の額にキスをするコナー。
「じゃあ、今言ってもいい?」と聞く彼に頷くと「愛してる」と短く言い、唇に優しいキスを落としたあと「…と言っても、僕はアンドロイドだから愛というものをデータでしか知らない。だけど、この気持ちは…君に感じる複雑でとてもではないけれど処理できそうにないこの激しい想いは、愛だと思うんだ」「だから、僕の気持ちを受け取って。君にしか感じないこの想いを」と続けた。

頬にありったけのキスをしてその気持ちを受け取り、耳元で彼への愛を囁くとふんわりと嬉しそうに微笑む彼が愛おしくてたまらない。


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