V言語的コミニュケーション


「はぁ、疲れたぁー。ゆっくり休も……ってうわあっ!?」

「び、びっくりした…!何で隊長と祐季ちゃんがここに……って、二人とも寝てる?」

「………」

「…ここ俺の部屋なんだけどォォ!?」




「んー…」
「あ、起きましたか?」

眠い目をこすって辺りを見回すと、そこは殺風景な部屋だった。
つーか、さっき適当に祐季押しやった部屋だ。

「…何でェ、オメーか山崎。敬語だから祐季かと読者が思ったじゃねーか」
「そ、そう言われても…。じゃあタメにしますか?」
「殴るぞ」
「どうしろと」

起き上がってもう一度見回すが、一緒に寝てたはずの祐季の姿が無い。

「山崎ィ、祐季どこ行きやした?」
「祐季ちゃんならちょっと前に起きて、軽く挨拶交わしてお風呂に行きましたよ」
「挨拶ゥ?テメェ堂々とキスした宣言とは…なに人の女誑かしてんでィ」
「欧米か!!違いますよ!言語的コミュニケーションです!」
「まぁ山崎にンな度胸ねーか」

ふわぁと欠伸をし、残っている仕事を指折り数え、そのうち祐季に回せる分を数え、左右の折った指が一致するのを確認した後、よっこらせと立ち上がった。
さて。風呂、ねェ。

「祐季はいつ頃風呂に行ったんでィ?」
「え?えーと、2、30分前くらいに起きて…それから準備してたんで…。それに女の子のお風呂は長いのでまだ入ってると思いますよ」

だからまだ会えないのでは、というつもりで山崎はそう言ったのだろうが、俺の中のドSはまだ飽き足りないのである。

「よし。覗きに行くか、山崎」
「え――ええええ!?嫌ですよ!てか駄目ですって!」
「はァ、男の浪漫ってェのが無い奴でさァ。んなら俺一人で行ってきやす」
「ちょちょちょ!やめた方が!隊長ォォ!?」



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