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過激性体験談小説
儚い5


「ねえ、付き合おーよ、あたしたち」
告白してきたのは美保のほうでした。一緒にいる時間が長くなり、ボケ(美保)とツッコミ(おれ)みたいな関係は
相変わらずとはいえ、お互い好感を持ってんのはなんとなく分かってたし、そうなんのは自然な気もした。
でもいざ口に出して言われると、正直ビビってたじろいだ。そんな経験ねえし。そもそも見た目の釣り合いが
取れてない気がする。激しく、する。髪こそ近所の美容院でカットしてましたが、おれの全体から漂うオーラは
明らかに不審者のそれ。引っ越した当日にさっそく職質されたりしてます。無理まじ無理。でも美保曰く、
《高校の時に付き合っとったんよ地元の大学生と。かっこよかったけど女グセ悪くてさんざん浮気されたっち。
腹たつ。すぐ別れた。もともと見た目にはあんまこだわんないし、それに○○くんは浅野忠信に似てるし
あたしアサチュー好きなんよ》
は?浅野忠信?はじめて言われたし似てねえし。でも美保はさりげなくコクってるように見えて耳赤いし、
からかわれてるワケでもないのかなと思ったおれは「いいよ、おれでよけりゃ」
さりげなく答えたつもり。でも耳が熱くなんのがわかった。
「2人して耳赤くしておれら何やってんだ」と言いました。
美保も「何やってんだ」と笑いました。
それからの日々は、そりゃ楽しいものでした。映画が共通の趣味ってのはいいね。学校終わってから単館回ったり、
お互いの部屋でビデオ観たり。話題に困ることもない。すぐに学校でもおれと美保の関係は周知の事実となり
「やるねー」と冷やかされたりもしたけど、照れくさい反面、どこか誇らしい気がしていたのもたしか。
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