ふぅー……と結乃先輩が吐いて、あたしに近づいてくる。

「ごめんね美月ちゃん。ええと、説明だっけ。
実はね美月ちゃんが“還ってきた”ってことでね、お祝いしようと思ったの」

結乃先輩の話に相槌を打ちながら、不意に考える。
やっぱりここがあたしにとっての終息地――なのだと。

「お祝いって言っても、きっと悠たちが騒ぎたかったから、ただの方便よ」

「はあ……」

「気にしないで。適当に遊んで疲れて寝ちゃうと思うわ」

+ + + + + + +

結乃先輩の予感は正しかった。
ものの十数分後、なぜかチューハイ持参していた来内先輩がそれを飲んで酔って、その雰囲気が早乙女先輩と悠に伝染して飲んですらいないというのに、泥酔して、最早状態修正は不可能なほど。

「んぅ〜……えりこせんぱぁい」

「一寸(ちょっと)!抄花!止めなさい」

「えへへ〜」

だめだこりゃ。

「こらぁー!美月飲みが足りないぞぉ」

「わっ!来内先輩」

「“愛美”でいいってばぁ」

……なんだろう。果てしなくメンドクサイことになってきた気がする。
正月におじいちゃんちに行って親戚のオジサンに絡まれてるみたい。

「じゃぁ、愛美先輩で……」

「よぉし!なら乾杯と行こー」

わぁ!とチューハイ缶を持った手を振り上げて、さらに上機嫌になった愛美先輩。
その缶がなぜかあたしに接近してきて、、、

「んぅっ!?」

チューハイ缶があたしの口に押し付けられて、無防備に開いていた口からチューハイが浸食してきた。
喉を焼く感覚。

ぐらりと身体が傾いで―――その途端、あたしの意識は意識下に潜り込んだ。





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