01

今日も、研案塔の時間はめまぐるしく進む……


「燭先生、この資料は?」
「これは私の研究室に置いておけ」
「燭先生っ急患です!」
「分かった、すぐ行く」
「あ、燭先生、患者さんの容態のチェックを……」
「急患を診たらそちらに行く」
そう言い放つと、看護師たちは蜘蛛の子のように散り、当の燭は急患の患者のもとへ急ぐ

『……相変わらず忙しいなぁ』
そんな彼氏の様子を見ていれば、ため息の一つも出るものだ
そう言う名前も、大量の書類を両手に抱えている
『よいしょ……っと』
書類を抱え直すと、それらを処理するため、燭と共同である自室へ向かった


研案塔で働く名前の仕事を簡単にいうと書類の整理と燭の秘書である
一日の大半は、研案塔にある膨大な書類や資料を整理して終わる
ただ、外へ調査に行く時などは燭について行くのだ


『よし、やりますかっ!』
ドンっと置かれた書類を目の前にし
名前が腕まくりをして、気合を入れて取りかかる
………が、1時間後


『……も、もうダメだ……』
書類にもたれかかるようにしたため、雪崩のように書類が崩れ落ちていく
その中で、整理し終わっているのはほんの十数枚だけ
名前の唯一の弱点は、集中力が続かないところであった
『よし、休憩、休憩♪』
あっさりと書類を手放し
音楽プレイヤーを持って部屋をでる
目的地は研案塔の外だ


『こんな息の詰まったところじゃ息抜きにならないもんね』
木漏れ日の当たるベンチに腰を下ろし
音楽プレイヤーを付け、んーっと大きく伸びをする
〜♪〜♪
心地よい音楽が名前に流れる
………z z Z
疲れがドッと出てきたのか、眠りに落ちてしまう
「………名前?」
そのため、名前に近づいてきた“人”に気付かなかった


To be continued………


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