この際だからはっきり言ってやろうじゃないか。
俺、スネークマンは純戦闘機と比べたら物を破壊する力は弱いし、工業用から戦闘用に改造された奴らと比べてもパワー面は劣っている。
博士の手によって戦闘用に改造されているとはいえ、地形調査用は地形調査用でしかない。基礎的なところから戦闘向きに造られていないのだ、こればかりはどうしようもない。
装甲が頑丈だろうが情報戦に強かろうが身のこなしが軽かろうが、前線で派手にドンパチやれるほどの戦闘力はないのだ。
そりゃあ、そこらへんに転がってるような造りの甘い量産型警備ロボットが相手なら破壊のひとつやふたつ楽にこなすことくらいはできるが、量産どころかパッとみただけでも特注で造られたとわかるガタイも良ければなにかと高性能な警備用ロボたちに囲まれたのではどうにもならないって話だ。
「……マジありえねぇよこの状況」
口元が引きつるのを感じながら俺は左腕のバスターを構える。
自分で言うのもなんだが、俺は正々堂々正面からぶつかる柄ではない。
むしろそれとは逆の、じわじわとしつこく相手を追い詰めていたぶるような戦いを好んでいる。なのに、なのに何やってんだよ俺。
「ホント、これキツいんですけどッ……!」
ああもう数が数だ、手段なんか構ってられるか!
俺はサーチスネークを手当たり次第に放ち爆発さる。
爆風と一緒に相手の装甲の破片が飛んできて俺の頬を切り裂いた。
「クッソ、お前ら硬すぎ!」
一刻も早くこの場を切り抜けたい。それにしても相手硬すぎだろ、倒れる数少なすぎ。さっきからこっちの気分がげんなりするくらい気合い十分に襲いかかってくるし、あーもう嫌になってくる。
あーあ、今頃ジェミニの奴はどうしてんだろ。無線通信一切なしだけど多分うまくやってくれたにちがいない。だってアイツ、失敗とかしないし−−
「あ、やば」
避けきれねぇや。