緑色の君を



「好きです!!私と付き合ってください!!!!」

「えええ、え!!?えっ?!!」

好感度C?知らねぇ!!告ったもんの勝ちだ!!
なぜなら今の私にはおっぱ((ry
とりあえず、取られる前に「取れ」今回の教訓です。

いつも通り、?いや前世通り彼が加入するタイミングはほぼ一緒で遺跡に住み着く盗賊たちを追い払う時、颯爽と現れてその深い緑色のソールさんと同じ髪色で私の心をワシ掴みにした。いえ訂正します。緑色の彼じゃなくても元々ワシどころかワイバーン……いえナーガ掴みされてましたね。


そんな彼が軍に加わって今日は1日目。
告白しました。今まさになうです。現在進行形ですね。

「えっと、ルフレ、さん!!?」

「はい。ルフレです」

慌てて照れてる。可愛いなぁ。思わずふふっ、と笑みがこぼれると「からかってます?」って真剣な顔をされた。

「いえ、そんなことないですよ?至って真剣です」

「でも僕達初対め……いや、未来のルフレさんは少しだけ知ってるけど……」

初対面。ええ、そうですね。そうですよね
でも私は違いますよ。「ずっと前」から貴方が好きなんです。愛しているんです。

「そうですね……強いて言うなら一目惚れ、という事にしておきましょうか?」

「しておきましょうかって……ルフレさんみたいな美人に告白されたのは嬉しいけどやっぱり急にそんなこと言われても……!」


「そうですよね……チャラそうに見えて実は童t「うわぁぁあぁぁあぁぁぁ!!!!!!?なっなんっ?!!なんでルフレさんがそれを……!!?!」

童貞ですもんね、言い切る前に顔を真っ赤にして私の口を塞いできたアズールさん。萌え。アッダメだ語彙力が酷くなってきてますよ私。

「とにかく、!い、今はその……付き合うとか考えられなくて……」

「初なところも好きですよ」

「っ~~~調子狂うなぁ……!」

私から逃げるように視線をさ迷わせる。ああダメだ信じてもらえない。じゃあどうすれば?ここままじゃダメだ、とられる、取られる。取る、取られ、駄目ダメあの、他の子達に、せれ、取られる、セレナ。ダメやだ










気持ち悪い。

(吐いちゃダメですよ。×××様。ほら、手段は選ばないんでしょう?)

いやでも、それは、嫌われるから、やりたくない。

(ほらあの気持ちをまた味わうのはもう嫌でしょう?思い出してみてください。)

いや思い出したくない。やめてよ、やめろ。
その人は村娘と結婚してるから今は。

(ではこの男(ラ××××)は貴女に相応しくないんですね。だから諦められる。そうでしょう?)


?、今なんて言った……?ラズ……?ちがう、アズールさんは私の運命の人で、あっ吐く、むり、吐きそう。


(ならほら、なりふり構わないでやればいい!!!!
嫌われるのが怖い?"私"もそうでした。けど貴女は違うでしょう?貴女は愛に生きる人"だった"
)


私の中の"ナニか"が愛おしいそうに声を上げる。所々言葉が変なのは狂ってるからか?じゃあ、これが邪竜か。そういや私の中に若干いたなお前。



でもありがとうございます。誰かさん。

お陰で踏ん切りがつきました。





沈黙に耐えられなかったのか、立ち去ろうとする彼の背中に向かって私は声を、喉を、ついでに胸も震わせてとても大きな声を掛けた。





「ではこうしましょう!!私の気持ちを断れば未来から来た子供たちを1人ずつ殺します!!!!」










「え……っ」

「知ってるんですよね?私が邪竜という事を?ルキナさんに聞いてますよね?あれ?その反応だと聞いてませんでしたか?まあいいです。とりあえず私は邪竜、の半身的な感じです。貴方の未来をぶち壊したのは私の果てです。証拠?証拠はほら!!この邪竜の紋章!!!!」

見て!!、今までコレを故意に見せたのは初めてじゃないだろうか?
こんな所で使えるとは思ってなかったです。まあいいや、使えるものはなんでも使おう。じゃなきゃ愛されない。

彼が息を詰める気配を感じた。その瞬間に腰に携えていた剣を素早く抜き取ったアズールさんは間合いを詰めて急所を、ズラした位置を狙ってきた。ああ優しいなぁ。でもそれで私をどうにか出来ると思ってます?

「ぐッ、っ!」

「浅い、ですよっ!!と、」

コートの下に忍ばせていたキルソードでアズールさんの剣を軽々と弾く。筋力Sの伸び代の私に力で勝とうと思わないでください。
力負けして弾かれ、近くに落ちた鋼の剣を蹴飛ばして遠くに追いやる。邪魔です。愛の告白の。
私もそれなりに経験積んでますからね、「傭兵」如きには負けません。あっ加減はしたつもりですよ?

「くっ……、なんで……っ」
「お仲間でも呼びます?もれなく告白を邪魔をしたという罪でトロンですけど」


倒れるアズールさんの肩をそっと撫でる。忌々しげに睨む視線も中々興奮してくる。過去には見れなかったものだ。あ、力加減を間違えてしまったのでしょうか?すみません……きっと今までの経験値のせいですね。もし怪我をさせてしまっていたら異界で手に入れたパラレルプルフもあるから必要であればすぐに治せる。

「怪我はないですか?あったら言ってくださいね、すぐに治しますから、ね?」

「っ……貴女は……なんで……ッ」

更に鋭く睨まれる。ああ、その目。今まで見たことない。
これはこれでありですね。今までは愛されたり愛されなかったり親子愛だったり色々しましたがこれが噂の憎み愛という奴でしょうか。
あっ私は彼への憎しみの感情は欠片もありませんよ?


「私は貴方に憎まれても愛されたい(・・・・・・・・・・・)んです」

「……矛盾してる」

「いいえ、矛盾なんてとんでもない


愛の反対は無関心ですよ?」



無関心が一番キツイのはあの時一番味わっていますから。
だから「誰」かに取られる前に貴女が欲しいんです。

ニッコリ、と表現ができそうな程の笑顔で私は青ざめた表情の彼へ口付けをした。


ああ、これで2度目の恋人同士ですね。よかったよかった。










キリキリと"なんか"が痛い
胃かな?願いはかなったのに。







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じゃりゅう?いいえ、呪いの正体です。

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