いつでも君を追いかける(櫻野)
あっ櫻野くんはっけーん!!!
「櫻野くーん!!おはようございます!!!今日もお天気良くていい日ですね!!そしてー、朝からかっこいいです!!!!…あ、もう教室着いちゃいましたね。またお昼の時に、お弁当持ってきますね!!それじゃっ。」
「………。」
私は、川崎友梨。
櫻野くん大好きです。
趣味は、櫻野くんの後を追いかけることと、櫻野くんの観察をすること。
それくらい櫻野くんのことが大好きで大好きで仕方ないのです。
だから、今日も朝から追いかけて、勝手に話してきました!!
可哀想とか、思う人もいるかもしれないけど、
私にとって今一番楽しいことなんです。
今は授業中。
みんなは授業中は暇だとか言うけど、私は暇じゃない。
だって櫻野くんの背中見てるから。
そこまでいくと、周りにストーカーだって思われるよって静音ちゃんに言われたことあるけど、
私は周りなんて気にしない。
今日も櫻野君の背中かっこいいっ。
あっ今日は腕まくってる。暑いのかな??
「……!!…てるのか?川崎!!!!!聞いてるのか川崎!!!!!」
「え?じんじん。…あ、ああああき、聞いてませんでした!!」
(クスクスッ)
「なに?聞いてなかっただと?」
「い、いや違くて、その、櫻野くんの背中がカッコ良くてつい…。」
(クスクスッ
また言ってるよ〜あの子。
懲りないよね。笑)
外野うるさいな…。
「そんなことは聞いとらんぞ!ったく人のことばかり考えてないで、自分のことも少しは考えろ!!!」
「はい、すいません。でも、授業は聞いてなくても、テストはちゃんといい点とってます。」
そう、私は授業は聞いてないけど、毎日部屋でその日の授業でやったところを勉強してるから、テストの点数はいいのだ。
毎回学年で3位以内には入る。
「ったく。それとこれとは別問題だ。」
「次からは聞きます。」
キーンコーンカーンコーン
やっと終わった。
やっと櫻野君と話せる♪
「あ、こら川崎。まだ話は終わっとらんぞ!」
じんじんごめんね。
一応心の中で謝っておく。
「櫻野くーん!!お弁当持ってきたよ!!はい、どうぞ。」
「あ、ありがとう(にこっ)」
きゃー。今日も櫻野君のスマイル頂きました!!!!
よかった、今日ももらってくれて。
「じゃあ、また後でね!!!」
「友梨もよく飽きないわよね。」
「おっ静音ちゃん。当たり前じゃないの。櫻野君のこと大好きなんだもん。」
「でも、友梨可愛いんだから、もっとあなただけを見てくれる人にすればいいのに…。」
「それじゃ駄目だよ。櫻野くんだからいいんだもん。」
そりゃあ分かってる。
彼の笑顔は私だけにするものではないこと。
彼の笑顔は嘘だ、ってこと。
分かってる。
だから、ずっと考えてたんだ。
そろそろやめなくちゃって。
「あのね、静音ちゃん。来週文化祭じゃない。私、後夜祭で櫻野くんに告白しようと思うの。それで駄目なら、もう追いかけるのも、観察するのもやめる。」
「友梨…。そう。なら頑張りなさい。私は友梨のこと応援してるわ。」
「ありがとう静音ちゃん。大好きっ!!!!!」
「はいはい。」
櫻野side
「いつもいつも大変だな、お前も。」
「本当よく飽きないよね、川崎さんも。そろそろ僕も疲れてきたよ。」
「疲れる?疲れてそうには見えないが。」
「いやいや、昴、あれだけ毎日追いかけられてごらんよ疲れるさ。そろそろガツンと言ってやりたいんだけどねえ。」
「そしたら、お前が守ってきたキャラも崩れるんじゃないか?秀一。」
「ああ。だから何も言えないんだけどね。」
「でも、お前川崎さんと話してる時随分と楽しそうに見えるけどな。」
「楽しそう?僕がかい?あれは偽りの笑みだよ。」
「そうは見えない。心から笑っているように見える。俺は、お前の本当の笑みと偽りの笑みくらい区別できる。何年一緒にやってきたと思ってるんだ。」
「でも、昴。それは勘違いだよ。僕が川崎さんと一緒にいて、楽しいなんて思ったことなんて一度もないさ。」
何を言い出すんだ昴は。もう川崎さんに追いかけまわされるのは本当にうんざりなんだよ。
そろそろ何かアクション起こさないとな。
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