act 17

何で・・・・何で・・・・・・・・・・・?

何がいけなかった?

どこが悪かった?

なんで拒絶された・・・・?

土地勘も無い。何処を走ったかなんて知らない、ただ、闇雲に、あの人から逃げたかっただけ

・・・・・・・・・







「アイツ・・何処に行きやがった!!」

携帯なんて何の意味もない。さっきからずっと繋がらない
もしくわ、繋げないのか・・・・・

額から、汗が吹き出る。浴衣は意味も無いほどびしょ濡れに・・。
ただでさえ、蒸し暑い夏。走り回っていれば、汗もでる。

沖田は、手の甲で、ポタポタと落ちる汗を拭う
拭わなくても、汗は頬に流れ、顎の所でぽたりと落ちる
アレから1時間、何処をどうやって探しても、部屋に何回も帰ってみたけど、神楽の姿は無かった

海辺、民宿の周り・・何処を探しても見つからない
だんだんと、沖田は焦っていた

「総悟!!」
後ろから呼んだのは、近藤だった

「居たか?」
近藤の額には、沖田と同じように、汗が吹き出ていた
沖田が首を振ると、右後方から、瞬間、掌が吹っ飛んできた

スパーンと言う音と共に、沖田の頬は、紅くなる

「何で!何で神楽ちゃんに・・・そんな酷い事を!!」
涙ぐむのはお妙だ。押さえつけなければ、そのままもう一発いきそうだった為、待ったをかける

「沖田だって、「女の子が誘うのが、どんなに勇気が必要かわかってるんですか?!どんなに・・・っ」

神楽の気持ちを考えると、悔しくて、腹立だしくて、可哀想で・・・気持ちが溢れた
ほんの1時間30分前まで、意気込んで、嬉しそうに笑っていた

多分、あの時には、もう気持ちは決まっていたに違いない。うららとの事があって、前に進まない事に悩んで。
自分が変わらなければ、何も変わらないと頑張った気持ち
同じ女の子として。よくわかった

そんな神楽に、何を考えてか待ったをかけた。沖田は沖田の考えがあったにしろ、あまりにも残酷だった
この何日か、一生懸命色んな事に耐えていた分、やっと二人になれたと思った
やっと神楽が笑える事が出来ると・・・なのに何故?
目の前の男は・・・・・




「見つかったか?」
別のほうから見えたのは、ミツバと土方。また子と高杉だった
近藤は、いやっと首を振る。
お妙は、鼻をすすってるし、沖田の表情・・なんの雰囲気だと、近藤に目を走らせた

「もし、何処かで・・迷っていたら・・もし・・帰りたくても帰れない状況だったら・・私は!!・・」

「絶対ぇ見つける。何処まで走っても、どんなに遅くなっても、見つけて帰って来まさぁ!」

お妙の声を遮り、沖田は言い切った
その瞳は、真っ直ぐで、嘘偽りのない瞳・・そう信じれた
本当ね・・とお妙は言い、又、自分も探しに行く
近藤は、一瞬沖田に視線を送り、頷き、妙に続く

土方、高杉も、もう一度、探しに出かけた



・・・・・・・・・・・・・
帰れない・・会いたい・・でも出て行くなんて出来ない・・
どんな顔して会えばいい??
誘った事を自分から暴露したあげく、拒絶され、逃げて・・

見つからない様に、山に登ったことは分かる。でも闇雲に上って、今自分が何処に居るのかさえ分からない
部屋、民宿の周辺。海辺、どんな所に逃げても、必ず沖田は見つける
いつもは、喧嘩しても、ワザと見つかるようにしてみたこともあった
ちょっと焦った顔を見るのが好きで、心配されるのが心地よくて・・・

でも本当に今は見つけてほしくなかった。
会いたくなかった・・・
だから、闇雲に逃げた。自分でも分からないんだ。沖田にだって、さすがに分からないと・・

もう駄目かも知れない・・自分たちは・・・
「っふ・・っつ・・ぅぇ・・」
膝の中に、顔をうずめ、声を押し殺して泣く
なんで拒絶されたかが分からない

なんで今が駄目なのかが分からない
うららが居なくなった今、やっと二人きりになれたのに・・自分の気持ちも決まってこれ以上なんてない位の時・・
もう何がなんだか分からなくなっていた

山を抜けた、訳も分からない、道の脇。ひたすら神楽は泣き続けた


……To Be Continued…

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