act 15

「沖田、外に・・散歩に行かないアルカ?」

布団を敷いてる沖田に、神楽はゆっくりと声をかける。
心臓はバクバクとなる。既にお妙は、近藤と外に向かったようだった。また子は、嫌がる高杉を、今まさに無理やり外に連れて行こうとしている真っ最中。
ミツバは、上手く土方を外に連れ出す事ができたらしい。
丁度部屋には、神楽と沖田の二人になっている、誘いやすくはあるが、シンとなった雰囲気に、言いにくい部分もあった。
それでも神楽は、勇気を振り絞り声に出し誘う

そんな様子を、別に不思議がる事も無く、沖田はあっさりOKした

二人とも浴衣姿、外に出てみると、涼しい風が頬に当たった、いつもの神楽なら声に出して、涼しいと叫ぶが、頭の中は素直に・・と言う単語がグルグルとまわってるのみ、体は緊張していた

手を繋ぐ事もない。腕を絡ます事もない、一体何をしにきたんだと思う

先程から、沖田は何回も、神楽に話しかけていた
それを、ことごとく、神楽は無視・・・気付いてなかった

一人難しい顔をして、眉間にしわを寄せ、スタスタと沖田を置いて歩いていく

何回話しかけても返答は無く、一人でう〜〜と何かつぶやいている

ため息を付きながら、神楽の肩に手を掛けようとした
その瞬間だった



「素直って何アルカァァァ!!!!!!」
顔を赤くして叫ぶ神楽に、沖田は驚いた

素直・・・素直・・・素直・・・素直・・・?
ぐるぐるぐるぐると考えるうち、頭の容量がパンクしたのだ

「素直ってなにアル?!全然分からないヨ!」
肩で息をしながら、はぁはぁと息を荒くする。深く考えるような事ではないものだけど、神楽は真面目に考え過ぎてパンクした、そしてその様子を沖田は見入って、そして吹いた

「ぶっ。ぶははははは!!お、おま」
神楽が一生懸命考え抜いた事を、声を上げて沖田は笑う

「な!!」
神楽は更に顔がカッと赤くなるのが分かった
恥ずかしい。何で笑われるのか分からないが、恥ずかしかった

まだ、笑いながら、沖田はちょいちょいと手招きをする
そして、神楽は頬をぷく〜っと膨らませながら、沖田の近くへ寄る

「ぅわ!!」
ぎゅっと抱き締められた神楽の体、きつくでは無く、ゆっくりと、体から思いが伝わって来るような感じだった

「こうゆう時に、嬉しかったら、素直に言う事でさぁ」
神楽の耳元で、沖田は小さく囁く、神楽は、うっっと言葉に詰まるが、沖田の胸の中です〜は〜と深呼吸をして

「う、嬉しいアル・・・・」
とつぶやいた。

沖田はたまらないように、顔をほころばせ、可愛い奴・・とつぶやく
神楽も堪らなく、手を回している沖田の背中のシャツを、ぎゅうっと強く握る

突如、感情が沸く
(<キスしたい・・・かも)


思ず神楽は胸から顔を出し、沖田を見上げた。沖田は何も言わず、神楽の唇に自分のを重ねた

柔らかい感触。唇は交差しながら、その感触に二人は酔う

まるで甘ガミのようなキス・・スグに離れ、互いの目を見た

沖田は神楽の、蒼く澄んだ目を、神楽は、沖田の紅く綺麗な目を・・・

神楽は、沖田の胸の中に顔を埋める。沖田は神楽のつむじを見て、つんつんと遊ぶ
微笑みながら見てると、神楽の口から出た言葉に手を止めた

「き、今日は、沖田と二人が・・・・イイ・・アル」
沖田は、思わず聞き返しそうになる。
ありえない言葉が聞こえた

珍しく、沖田は自分が動揺し、体が固くなるのを感じた

……To Be Continued…

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