act 11
うららを、三人が交代でおぶる。うららをおぶる際、うららの強烈な胸は、それぞれの背中にフィットし、若干顔を赤らめる。
勿論それは邪な気持ちではないとは分かるが、実際彼女としては面白くない。そして隣を見れば、仲むつまじくミツバをおぶさり土方が下っていく。面白くない三人は、唐突に話をきりだした。
「私も負ぶってくださいな」
お妙は、そういうと、沖田の前に付く。近藤は、うららを負ぶっている。沖田含め4人は
「「「「ハッ????!!!」」」」
と声をあげた。
「ななな、何言ってるんですか?お妙さん。是非僕がおぶります!」
うららをひとまず下ろし、是非にと立候補するが、お妙は首を振る
「それじゃ意味が無いんです。って事で、ミツバちゃんも混ぜて、シャッフルします。あっ。勿論うららちゃんとミツバちゃんは、誰かに必ず負ぶさってもらうから、大丈夫よ」
お妙はにこりと笑う。男性陣から、誰かを負ぶって下りるなんざ、冗談じゃねぇと声が上がるが、お妙の表情をみて、静かになった。
お妙、また子、神楽は、うららの姿を見ていると、どうしても悔しくなった。
いっそそれなら、皆シャッフルして誰かに負ぶってもらおうと考えた。ならば彼氏にとも思うが、確実に誰か一人あまる。その一人が嫌な思いをしないように、関係のない男に負ぶってもらおうと思ったのだった。
しかし男側からすると、自分の女と体を密着させ、負ぶさる時に、嫌でも尻にてが行くのが我慢なら無い。反対をする。
しかし女からすれば、自分たちから言い出した事とは言え、うららの体を代わる代わる交代で負ぶさるのにも腹立だしさを覚える上、顔を赤くする自分の彼にイラッときたのは言うまでも無い。
お妙、神楽、また子は、それぞれの人権をあっけなく無視して、勝手に決める
「神楽ちゃんは高杉さんと、またちゃんは沖田さんと、ミツバちゃんは近藤さんと、うららちゃんは土方さんとね」
全くもって、有無を言わさない。どうせ彼氏を使うなら、気心知れた友達にと、そして先程まで加わっていなかった土方をうららに付かせた。
お妙は、何回も変わるからと、ミツバにもフォローを入れた。ミツバは、皆もやったんだもんねと聞き分けが良かった。
そして、たまったもんじゃないのは男の方である。
これは何かのバツゲームですか??と思う。何か悪い事をしたのかと・・・・
女からすれば、顔を赤らめた時点で、十分バツゲームに値した
道を下り終わるまで、延々と負ぶさり続ける・・これは悪夢だ・・皆思う
「高杉、落すなヨ!!」
神楽は、面倒くさそうな高杉の肩に手をかけ、よっと、負ぶさる
「じゃあ、乗るなよ・・」
「それは出来ない頼みアルナ」
「ちょ、コラァァ!高杉、テメ神楽の何処触ってんだぁ?殺されてぇらしいな!!」
神楽と高杉の体が密着し、高杉の腕は、神楽の尻の下になる。
それを見た沖田は沸騰直前の熱湯のようにぐらぐらと怒りを沸かした。
そんな様子を神楽は、ザマーミロ!と笑う。さっき顔を赤らめた罰だと・・
「あぁ??!てめぇこそ、来島に同じことすんだろうが!!」
確かに。また子は、喧嘩を吹っかける沖田の肩に手をポンポンと叩き、しゃがませる。
そして、沖田と体を密着させ、負ぶさった。同じように沖田の腕はまた子の尻の下に敷かれた。コレではお互い文句が言えない。
「「なぁ。てか交換しねぇ??」」
「「しない!!」」
簡単に申し立ては却下され、一息ついて歩いていく。また子と神楽は、スカートが短いため、太ももが大きく見えてしまう。そんな事はお構いなしに、ふたりは、もうずっとした事の無かった背中に負ぶさると言う行動を懐かしく、そして、たまらなく楽しかった。パートナーは別々だが、下の男を二人は見下ろし、何とも言えない快感に、ついつい笑みをもらした。
一方土方は、何せ硬派で通っている。うららを負ぶさっても、顔色一つ変えない。舌打ちをしながら歩いていく。そんな土方を、ミツバは近藤の背の上で誇らしく見つめ、そしてその横でお妙は、微笑みながら近藤と共に歩いた。
時間を過ぎると、何回も何回もパートナーは変わっていく。男はどんどん憔悴していく。女は、どんどんテンションを上げていった
しかし、彼女達の笑顔を見てると、無意識のうちに、自分にも笑みが漏れていた事を男は知らなかった。
「「「「はぁ〜〜疲れたね〜!!」」」」
「「「「ふざっけんな!!俺らが疲れたんだろ!!殆ど歩いてねぇじゃねーか!!」」」」
爆発させた4人は猛抗議するが、へらへらと笑う女の子には敵わなかった
そして、あっさりと話をスルーすると、別の話題に移った
「どうしよっか・・この後・・神楽ちゃんまだ海に入ってないでしょ?今日が最後だし、泳ごっか?」
妙が言う。神楽は、笑みを浮かべ了承した
更衣室、服を脱ぎながら、近藤は唐突に切り出す
「総悟、うららの事、どうするんだ?」
沖田は、脱ごうとしていた手をピタリと止める、そして、軽く息を吐いて、言葉を出した
「どうするも・・俺の意思は、はっきり伝えてまさぁ。神楽の事しか考えらんねぇ。それに、あいつの事はもともと・・・」
其処まで言葉をだし、口ごもる
高杉は、服を着替え終わり、会話に口を挟んだ
「好きだったのか?」
一瞬目を泳がす。そして又、表情を整える
「好き・・・・だったか・・てぇと・・」
「そりゃ、いくらなんでも酷いぞ」
服を着替え終わった土方も会話に加わる
顔を曇らせ、黙々と着替えを済ます
着替え終わった後、一言だけ口を開いた
「最低なのは、分かってらぁ・・・」
そう言うと、沖田はバンとロッカーのドアを叩きつけ、外に出て行く
残された三人は、やれやれと頭を抱えた
水着に着替える5人。神楽には内緒で、うららと話をする
「うららちゃん、沖田さん、神楽ちゃんしか見えてないのよ、どうしようもないし、私は二人がすきだから応援したい」
そう言うのはお妙だ。
「総ちゃんと別れて、もう一年も経つよね・次の出会いがあってもおかしくないわ」
「だって、ずっとずっと好きだった。皆でよく遊んでたじゃない!」
うららは、ついつい大きくなった声を出す
「それは・・でも今の彼女は神楽ちゃんッス。」
「どうして、もっと早くに連絡しなかったの?」
「総悟から別れようと言われて、嫌だって言ったけど、駄目で・・これ以上嫌われたくなかった!!再会した時、凄く嬉しかった。もう一回やり直したいと思った。なのに、彼女出来てるし、私には絶対向けてくれなかった表情を、あの子には沢山してて、幸せそうで・・転校さえなければ、総悟の横は私だった!今も私だったのに、諦めれるわけないじゃない!私の方が綺麗だもん。あの子には負けない!」
うららも、ロッカーに自分の荷物を叩き込めた
「ちょ!!」
止めるのも聞かず、うららは水着でビーチへと向う。ミツバたちは、どうしよう・・そう思うだけだった
……To Be Continued…
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