act 9

どうやって帰ったかも分からない。部屋なんて、よく分かったなって自分でも思う
既に皆布団を敷いており、その上で談笑していた。何となく沖田の方に行く事に引け、ミツバの隣に座る。

「オイ。お前さっき何処行ってたんだ?」

何の前触れもなく、土方は聞いてきた。神楽がビクっと肩を震わせたのは、隣のミツバだけが感じた。何があったのかは分からないが、とりあえず話題を変えた

「トランプでもしない?」
「あ。いいですね!ババ抜きとか」

近藤は飛びつき、皆も賛成をし、カードを配る。ミツバの隣で神楽は、視線を下に向け、配られるカードを見つめていると、不意にミツバの逆隣の人が入れ替わった。先ほど高杉が座っていた其処には、沖田が腰を落ち着かす。急に心臓が高速で動き出す。成るべく視線を今は合わしたくないと下を俯いている。が、沖田はそんな神楽を覗き込む。

「どうかしたんですかィ?」
「わっ・・な、何でもナイアル!!」

配られたカードをぐしゃっと掴み、同じ柄を必死に探す。普通に・・普通に・・・自分に言い聞かした。
そんな神楽の様子が変だと思うが、大した事でもないだろうと沖田は普通にトランプを楽しむ事にした。ババ抜き、しんけいすいじゃく、七並べ。一通り楽しむ。いつの間にか、お菓子、ジュースの類は増えていく。その中で、ミツバは、ジュースにもお菓子にも手をつけない神楽を心配する。大丈夫・と声をかけるが、神楽はから笑いをするだけだった。そんな中、次は何をして遊ぶ?との声が上がる。

「そういえば、昔よくこうやって王様ゲームしたよな」

切り出したのは、近藤だった

「よくしましたね。結構きわどくて・・」
お妙も乗る

「王様ゲーム・・って何アルカ?」

神楽は、ゲームがどんな物かさえも知らなかった

「あのね、番号を皆で引いて、王様を当てた人が、番号で何をするか命令できるのよ」
隣のミツバが、教えてくれる


「よく、皆で抱きついたり、キスしたりしてたよね」

うららは間違いなく、神楽の方に視線を送りながら言う。それにカッと来た神楽は是非、そのゲームをすると意気込んだ。しかし、それは、沖田の一言で止められる

「駄目でさぁ」
「別にいいアル!」

それに食ってかかったのは神楽だ。しかし、正直、反対をするのは沖田だけではなかった。高杉、近藤、土方、ついでに言うならば、ミツバ、また子、お妙、全員が気が乗らない様子。何で!!と神楽は言う。うららのあの目が気に入らなかった。自分もそのゲームをしたかった。噛み付く神楽に沖田は言う

「俺はテメーを誰にも触らすつもりなんざ、これっぽっちも無ぇ!!!」

あまりしつこい神楽を黙らすのに、少々声が大きくなりすぎたと、沖田は思う。聞いた神楽は、ぽか〜んと口を開けている。そして沖田が言った意味を理解し、急に恥ずかしくなり、おとなしくなった。とは言え、この雰囲気・・どうしようかと思う。土方、近藤、主に高杉はニヤニヤと沖田を見る。

「死ね土方ァァ!!!」
「ちょ、何で俺だけ??何で??オイ・・総悟ォォ・・!!」

暴れだす男をほっといて、女の子は群がる。神楽は先程の沖田の一言で気持ちが軽くなる。そこら辺に散らばるお菓子とジュースをほうばる。うららは、若干悔しそうにみるが、神楽は、あえて見ないようにした。
気が付けば夜も更け、そろぞろと、布団に入る

「何で、俺が神楽の隣じゃないんでさぁ・・」
「馬鹿ヤロォォォ!!んな事出来るか!!」
「総悟。さすがに男女分けないと駄目だろう・・」
「盛んのは家でしろよ」

又もやぐちゃぐちゃと口論する男をほっといて、神楽は布団に潜る。斜め前がうららになる。一瞬目が合い。くすっと笑うのが分かった。どうしても目を合わすと、あの会話がフラッシュバックする。見ないようにしてたのに・・。電気を消し、明かりは無くなる。男と女の布団の間を、ワザと空ける。間違いがないように・・・。










もぞもぞと布団の中で動く。沖田は反転するが、自分の上に何かいるのに気が付く
誰かを、確認する前に、沖田は唇をふさがれた。意味が分からない。寝ぼけて頭も回転しない。
必死で抵抗する。自分に触るその手を捕まえる。しかしこの手の感触には沖田は見覚えがある。

「か、神楽・・?」

目がさえて、暗闇になれると、其処にはクッキリと神楽の姿が現れた、沖田が抵抗する事で、神楽の浴衣は肌蹴ている。頭がくらくらとする。湯上りの神楽をみて、皆で来た旅行だからと、必死に理性をつないだ。それは沖田だけではなかった。火照った頬、普段着ない浴衣、うっすら見えるウナジ。鼓動が早くなるのは4人トモだった、しかしその糸が今にもきれてしまいそうだった。はだけた浴衣は神楽の白い太股を大分露にし、胸元は胸が大きく開いた。ブラが無く、素肌がじかに見える。薄暗い文余計色っぽく見えた。しかし、何とか理性を保とうとする。

「な、何してやがんでィ。さっさと自分の寝床に戻りやがれ」

「嫌アル」
「い、嫌アルって。何考えてんでさぁ。こんなトコで」
「お前だって、したんだろ・・人が来ても・・っ・・・」

覆いかぶさる神楽の瞳から何か落ち、それが沖田の頬にぽとっと落ちた。何かと思い沖田は触る

「えっ、おま、何泣いて・・・」
「な、泣いてなんか・・・・」

パッ・・・・・・

沖田と神楽の声が段々大きくなり、皆を起す。何かとまた子は電気をつけ、その場の光景には、寝ぼけていた思考が一気に冴えるのが分かった
男たちは目を見張る。上に乗っかってるのは、沖田ではなく神楽。沖田が神楽の布団に行くのではなく、神楽が沖田の布団に入っている。いつもなら考えられない状況に、やっぱりこれは夢なのかと考える。しかも神楽の肌蹴た格好は相当のモノだった。視線に気付いた神楽は、急いで沖田の上から退く。そのまま、急いで浴衣を直し、溜まらず部屋からでていった。

「かぐーーー」
「総ちゃん、私に行かせて・・」

追いかけようとする沖田の袖をひっぱり、ミツバは神楽を追いかけた
深夜1時。嵐のような瞬間だった。神楽が戻ってくるまで寝るにも寝れず、皆時間をもてあました
沖田は、神楽がいった言葉がどうしてか気になる。沖田は急にたち、うららの元へ行く。

「何か神楽に言ったのかィ?」
「別に・・」

平然とうららは話す。ポーカーフェイスが崩れないのは双方で、いつも崩しっぱなしの神楽とは大違いだった

「余計な事話すんじゃねぇ」
「余計?私と付き合ってたのは余計な事?」

「何で神楽に言う必要がある?今の女はアイツだ!俺らの速度で進んでんだ、横からとやかく言う事じゃねぇ!」
「神楽、神楽、神楽、総悟は神楽ちゃんばっかり!」

「んなもん当たり前だろうィ!!お前とは終わってんだぞ」
「私は終わった覚えないわ!」

そこに残ってた者の目はエッ!!と驚く。当に終わったことだ。それは沖田からも確認済みだし、別れてからこのかた、うららと付き合いがあるようにはみえなかった。

「今でも私は総悟が好き、あの子には絶対渡さない!!」

綺麗な顔で、沖田に噛み付く。皆なんでこうなる・・と頭が痛くなった。

「俺はアイツ以外考えられねぇ!」
「私は諦めないから!!」

そういうと、これ以上話さないと言うように布団を上から被ってしまった。
これは間違いなくうらら絡みで、神楽はあんな行動を取ったのだろうと、沖田はため息を付いた


……To Be Continued…

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