act 5

「まだ皆来てねぇな。このまま二人で「ブッチなんてしないアル」

なんでィとふて腐れる沖田を余所に、神楽は携帯でそれぞれに連絡を取っていた。
何となく二人の雰囲気が恥ずかしく、誰かこないかと思ってたら、とりあえず一番避けたい人物が着いた

「あれ?まだ二人?」

沖田は、態度丸分かりのような仕草で自分のうなじらへんをさする。
とりあえず、勘弁して下せぇと言う声が今にも聞こえてきそうだ。うららは、普通に沖田の側に腰をかける。そして沖田は、少し神楽の方へ自分をずらした。

「総悟、昨日寝れた?あたしドキドキして寝れなかった」
「あ〜そ〜」
「お、沖田昨日寝れた?・・・」

神楽は負けじと質問をする。しかし聞いた後で、なぜ立て続けに同じ質問をしてしまったのだろうと自分に突っ込みをいれた

「あぁ?昨日?てめーが先に寝たおかげで、俺ぁ寝れなくなっちまったでさぁ」
「えっ!!マ、マジデカ!ごめんアル」
「別に・・おめーが寝れりゃあ、いいけど・・・・」

何となくラブラブの雰囲気が辺りを漂う。それが面白くないのかうららは話題を切り替えた

「神楽ちゃんって、面白い言葉使うよね?何か中途半端の」

神楽は顔が赤くなるのを感じる。そういえば、沖田にも転校当初散々いじられた。
「別にいいだろィ。おめーに迷惑なんざかけてねぇんだから」

沖田がその話は終わりと言うように、言いきった。それ以上はうららも突っ込まなかった。
神楽は、沖田の左手を、自分の右手でギュッと握り締めると、沖田は強く握り締めた後、更に自分の手と神楽の手を絡めた。
そんな中、次々に集まって来るメンバー。電車にゆっくりと乗り込み、どう座ろうかと辺りをきょろきょろ見渡す。
電車自体は空いてるため、場所はどうにでもなる。8人だったら丁度言い感じに席が埋まるが、今回は9人。
二人がけのソファを向かい合わせにして、さらに横にもう一組同じようにすれば、話も席も近いし言う事はない。しかし、何処かに三人入れなければならない、必然的に皆考える。うららを何処に座らせるかと

「じゃ、私と沖田と神楽ちゃんでココに三人座ろう」
「いや、それはむりだろィ」

うららが平然と言うが、沖田はそれを止めた。結局、色々話し合った結果。通路隔て、丁度真ん中でわけ、右反対を男4人で、左反対側を女の子5人で座ることにした。神楽に気を使い、うららの隣にはお妙とまた子が座った。座席は別にきつくはないが、精神的にやみそうだった。それは反対側の男もだった。

「何でこんな席順になんだ?」
「あぁ?仕方ねぇだろ」
「俺泣きそうなんだけど」
「はぁ〜〜」

たいして面白みもなく、電車は動いていき、苦痛な一時間を過ごした後、其処は既に海の香りがしていた。とても静かなところで、天気も良く、空気も澄んでいて気持ちがイイ。それぞれが荷物を持ち、海辺にかけて行く。神楽も行こうと走ろうとするが、首根っこをグイッと沖田が引っ張る

「ぐえっ!!何するネ」
「おめーは馬鹿か。日に当りすぎて死んじまうぞ、これ被っとけ。」

そう言うと、沖田は、自分の聞いていた半そでのパーカーを神楽に着させる。神楽は帽子も何も持ってないことに気づいたのだ。その前の日から、忘れっぽい神楽の事だからと、わざわざ暑いのに、パーカーを羽織ってきていたのだ。
その優しさが嬉しくて、暑いけど、沖田のにおいがいっぱい付いているパーカーに自分を包んだ

「ふふ。汗臭いアル」
「殺されてぇらしいな」
「うそうそ」

言葉こそ酷いが、神楽の手は沖田の腕に絡まり、沖田は神楽の肩を抱いた。
端からみれば、ラブラブだ。とりあえず荷物を置こうと民宿に行くことにする。浜辺は大変な賑わいで人も多い。
波は引いたり押し寄せたり、歩く砂地は、熱く、でもサラサラで心地よかった。このシーズンに一気に客をと、沢山の海の家もある。
ずらーと並んだ店に神楽はうっとりとする。頭をこづかれ、意識を取り戻し、歩くと、比較的新しい民宿にたどり着く。玄関が広く、すぐに人当たりいい方が出てきて、うららと何か話、その後、こちらにと案内され部屋に通される。神楽は、ココにきて良かったと始めて感じた。通された間は、他の部屋から離れており、静かな場所だった。ホテルや旅館なんかと比べると質は当然下がるが、高校生の自分達には充分だった。

「え??ココ??」
「もうひと部屋は?」
「さすがに其処までわがまま言えないよ〜。でもさ、こんなとこまで来て、どうせワイワイするんだよ。どっちでも一緒ジャン?」

いわゆる大部屋。確かに9人で寝るには充分広い。それでも、抵抗があった

「いいじゃん。さっ。荷物置いてさ、泳ごうよ」
てっきり、女の子は女の子、男は男とと思ってた女の子は、さすがに戸惑った。反対の男も嬉しいような、理性が持つかの心配をしていた。

結局悩んでも、この忙しいシーズン部屋を取ってくれていただけでもありがたいので、何も言わない事にした。
さっそく女の子は水着を着替えたいと、シッシと男を追いやる。

「えっ。てか俺ら何処で着替えれば・・?」

着替えをポンと廊下に投げられ、肩を落し、更衣室にとぼとぼと足を向けた

……To Be Continued…

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