act 34

「なんでアンタが此処に居んでさァ。」
「もぅ総ちゃん、そんな事言わないの。あたしが言ったんだから。」
「姉上、さっさとこんな野郎とは別れた方が身のためですぜ。」
「総悟!そんな事言ってないで外見るアル!すっごく綺麗ネ!」
「マミー僕あれ乗りたい!」
「ば〜か、絶対あっちの方が面白いに決まってらァ。」
「――――どうでもいいが、何でこんなせっまい空間の中全員で入ってんだ?分けても良かったんじゃね?」

まあるい、まあるい円形が中心から伸びる、それぞれの棒にぶら下がっている。
それは今まさに頂上にたどり着く。下を見ればくらくらとしそうな高さの景色。
双子がテンションを上げ、ぴょんぴょんと飛び跳ねると、ぐらぐらとそれは揺れる。
沖田と神楽、土方とミツバ。そして両側の景色を食い入るように魅入る隼人と蒼。

激しく定員オーバーした『観覧車』の中、熱気がこもったところに拍車をかけて罵声を飛ばす。
土方が立ち上がった事で一際ゆらりとそのまあるい室内は揺れた。
「駄目よ、十四朗さん。あぶないわ。」
ミツバが心配そうに土方をみると、舌を鳴らし腰をおろす。


朝食をすませた後、沖田は何処に行くと神楽に問いかけた。神楽はう〜んと悩んだが、すぐに顔を輝かせ、テーマパークと言うモノに是非いってみたいと言った。
隼人と蒼は首をかしげる。まだ一度も言った事もないし、その名前さえ知らない。
だからこそ神楽も選んだのだ。幸い今日は平日で客も少ないだろうと足を向ける。

着いた時の隼人と蒼の顔。
口をコレ以上あかないだろうと言う、ところまで開けた。しかしその目は好奇心で溢れ、キラキラと輝く。
神楽と沖田の手を引き、ひっぱり、とりあえず乗りたい!!そう言ったのが、この観覧車だった。
土方とミツバ。その後ろに神楽と沖田と蒼と隼人。まずミツバと土方が先の観覧車へと乗り込んだ。
すると我慢が出来なくなった蒼がその観覧車に飛び乗る。観覧車はゆっくりと回り続けていて、隼人は危ないながらも蒼と同じようにミツバの観覧車に乗り込んだ。あやうく落ちそうになるところを上手く土方が首もとをひっつかみ持ち上げた。
沖田は神楽に、二人で乗るか?と言った。がしかし其処には神楽の姿はなく、ふわりと浮きミツバの観覧車に容易く乗り込む。呆気にとられている店員を残し、沖田は一度ため息を付きその地面を蹴り上げ体を浮かせた。

そして、今に…至る。

「とりあえずジェットコースターがいいアル!」
「いや、オメー子供の事を先に考えろや。どう考えても乗れねぇだろうが。」
「じゃ、お前と一緒に乗るアル。」
「別にいいが、お化け屋敷ってェのもありやすぜ?土方さん。」
「な、なんで俺に振るんだテメーは!俺ァ別に外で待ってても…。」
「あら、おもしろそうだわ。十四朗さん、観覧車が終わったら皆で行きましょう。」

ヒクヒクとなる土方の顔を見た沖田は口元をあげ笑う。
そんな沖田にやれやれと神楽はため息をつき、到着地点までまたかと項垂れた…。

……To Be Continued…

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