act 53

大丈夫―――――。
私は、いつだって、十四郎さんの、味方だから……。




「待たせちまったな……ずいぶんと……」

右手の掌に、小さく納まるそれを、大切そうに、土方は、握り締めた。





「ミツバちゃん、それ、本当なの?」

穏やかな気温の今日、天気は快晴。これはランチにぴったりと思っていたお妙に、ミツバの自宅から、携帯で、メールが届いた。
用件は、「聞いて欲しい事があるの……」
ミツバからじきじきに、二人で話したいと言われることは、初めてではなかったけれど、何だかいつもとちょっと違う。
そう感じたお妙は、事務所に行く予定を、キャンセルし、今日の、時間を、ミツバに使うときめた。

日当たりのいいこのカフェ。実は、ミツバと二人の秘密の場所だったりする。

午前11時45分に到着した二人は、日の当たるカフェテリアでランチを取りながら、他愛もない話を楽しんでいた。

ミツバにとってお妙は、友人でもあるが、よき、アドバイザーでもある。
中々、神楽やまた子に相談できない事でも、なぜか、お妙の前では、するりと気持ちがでてしまった。
それはミツバにとって、とても大切な事。
励ましてくれたり、時に、しかってくれたり。
性格の難しい土方を恋人に持つ、ミツバだからこそ、そんな、お妙の存在が、とても大切だった。

ミツバは、先ほどのお妙の質問に答えようと、でも、口の中が、からからになっているのに気づいて、目の前にある、アイスミルクにさしてある、ストローにと、口をつけた。
彼女の喉が、コクンとなった。

「わ、私もまだ……」

恥ずかしそうに、頬をそめながらも口に出しかけたのは、昨日の深夜、十二時ジャストの出来事だった。









ティラティラティ〜ラ〜 …………。


いつもの様に、近藤達が経営する職場で、事務仕事をこなし、夕食は、土方の家で、些細な料理をふるまって。
神楽と沖田のように、大きな声をあげて笑う事はないけれど、土方とだからこそ、作り上げる事ができる雰囲気を楽しんで、午後8時半、自宅へと送ってもらって、ゆっくりと、お風呂に入って、体をやすめて……。

近頃の日課である、ブログを自分なりにかきこんで、そろそろ就寝時間になるからと、土方と、たわいもない話を、電話して。

十一時、五十九分、五十九秒……。
直後に、ミツバの携帯がなった。
この音は、土方専用である、メールの着信音。

甲高い音を発したあと、携帯は鳴り止み、静寂がおとずれた。
けれど、すぐに、ベットの上の布団が動き、中から、華奢なミツバの手が伸びた。

さぐる手つきは、すぐに、さっきまで音を鳴らしていた携帯へと届いた。
そのまま、ゆっくりと、布団の中へ……、でも、それが、土方からのメールだと気づいたミツバは、らしくないけれど、布団から飛び起きた。

枕元にあるライトへと手を伸ばす。


それは、土方からミツバへの、サプライズの始まりだった。




・・・・To Be Continued・・・・・



 



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