お互いの体温を引き離したのは、誰でもない蒼だった…。

そして、その後ろからボールを拾って走ってきた隼人の姿が見えた
恐らく、途中からボール遊びをそっちのけで、様子を見ていたに違いない
遠くからで、会話は聞こえないが、神楽の方から抱きついたのは見えた。その後沖田が引き抱いたのも。
子供心にそれがどう映ったのかは分からないが…

神楽は、キョトンとし、下を沖田と二人で見る
すると蒼は、神楽にピタリとくっ付いてた。神楽は、蒼を優しく抱き上げた

すると、蒼は神楽の胸に顔を埋める
「母ちゃんの胸は俺のモンでィ。お前ェには絶ェやんねェ」
神楽は困った顔を見せた。
するとそこに、隼人が沖田の足元で、沖田の隊服をツンツンと下から引っ張っているのに沖田は気付く
下を向くと、淡く頬を染めて、少し遠慮した様に
「ぼ、僕も抱っこしてください…」
と口を開いた。思わず神楽と沖田は目を合わせ、吹いた。
よっと沖田は隼人を抱き上げる。すると間髪入れず、隼人は沖田の首に手をがっちりと巻きつけた



「にしても、本当に総悟に似てやがる…とくに…」
そう言うと土方は蒼の方に視線をずらした。
「何でィトッシー。あんまり見ると俺のびゅーていはうすに穴があくぜ」
「蒼、ビューティーフェイスアル。」
神楽が言うと、蒼ははっと驚き、恥ずかしそうに神楽の胸にと顔を埋める

「何で俺をトッシーって呼んでんだ?てか何でわかんだよ。今日会ったばかりじゃねぇか」
土方が神楽に聞くと、神楽は微笑む。
そして隼人が沖田に抱かれながら、声を上げて話しだした

「写真です!」
その一言に、総悟を含め声を上げる
『写真?』

コクンと頷きながら隼人は話しだした
「しんせんぐみ、きょくちょう、ゴリ、ふくちょう、とっしー、いちばんたいたいちょー、パピー、あと、みんとん!」

隼人は、順に近藤、土方、沖田、そして、先ほど一度屯所に連衡していった犯人に付いて行き、今しがた戻った山崎の方を指差した。
最後にさした山崎の方に、全員で視線を向ける
すると、冷や汗をかきながら、『な、何ですか?』と口を開いた。
丁度囲う様に集まった人の中で隼人は、再び口を開いた

「しんせんぐみは、ふだんは、おしょくけいかんで、だらしなくて、いいかげんで、さいあくで…」
そこまで話すと、一気に非難の視線が神楽へと集まる。その視線を神楽は軽く逸らし、人差し指を口元にシー!。ちゃんと聞くアル!と隼人に視線をやった。

「でも、とってもかっこよくて、まちのへいわをまもる、うるとらまんなんだって!ごりはすとーかー。とっしーは、まよにこちゅーどく、みんとんは、みんとんばかで…。
―――――ぱぴーのとこになると、いつもマミー泣き始めるから、いつもそこで終わってたんだ。」
神楽は、俯いた。子供にもどれだけ寂しい思いをさせてたのかと、再び涙が込みあがってきたが、それを軽く拭うと口を開いた

「ぱ、パピーはね、性格がすっごく悪いアル!それに意地悪ネ。性根を叩きなおすために…そのために、っ…マミーはココに来たアル。
だからもうずっとココに居るアルヨ。ずっと隼人と蒼の側に、パピーは居てくれるアル!」
潤んだ瞳と一緒に語る
隼人は、本当?と沖田を見ると、沖田は微笑みながら頷いた。

「ほら、蒼も、抱っこしてもらいたいんデショ?」
神楽が離そうとするが、一向に離れない
近藤や、沖田は、苦笑しながら、焦らなくてもいいと言う。

「マミー知ってるアル!。お前、隼人やマミーに内緒でパピーの写真見てたダロ?本当はずっと会いたいって思ってたんダロ?一度、渡った星で、パピーが居ないって馬鹿にされた時、隼人より、お前の方が怒ったって、マミー聞いたアルヨ。…父ちゃんは格好いいんだって。…誰よりも強いんだって、…いつか絶対会えるんだ!って言ってたって、じいじからマミー聞いたアル。じいじにパピーの事、色々聞いてたのもお前ダロ。もう我慢しなくていいアル。」

神楽の言葉が終わる頃には、蒼は声を上げて泣いていた。
子供らしく、わんわんと…。
そんな蒼の様子を、近藤含め、全員あっけに取られていたが、隼人が、トッシーと手を出した。すると土方はヘ?っと顔を変えたが。自動的に出た腕に隼人が飛びついてくると、その柔らかい体に感動し、上手く力加減を見極めつつ、抱いた。その顔はとても優しいモノで、悪態をつく彼の表情とは比べ物にならない程だった。

沖田は、改め蒼の前に立つと、ゆっくりと手を出した
「蒼…来るか?」

すると蒼は泣いてる勢いに任せ、沖田に飛びついた。そして、隼人よりその手に力を込めた。
何処にも行かないで、
もう離してやるもんか、
そんな思いをひしひしと感じた沖田は、隼人にした様に、優しくその髪に手を通した。
すると、よりその体をピタリとくっつけた

「と、父ちゃんのばかやろ〜〜〜!!うわぁぁぁん… … … 」

ひたすらとばかと泣き叫ぶ蒼に、たまらない気持ちが込み上げ、その体をぎゅうと抱く。
もう何処にもいかねェ
絶対ェ、離したりするもんかィと…

……To Be Continued…







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