瞳孔がかっ開く土方。その横でも信じられないような瞳で見ている近藤の瞳…。
土方の脳裏に、信じられないと言う思いと、妙に落ち着き納得した自分が居た。
「か、母ちゃんは何処だ」
「蒼が投げたボールを捜しに行きました。僕と蒼だけになった少しの間にあの男が来て…」
そう言うと、隼人は蒼の方を見た。
その視線を追うように土方と近藤は蒼を見る。
ココからだと、姿はよく見えにない。しかし、目の前のこの子も、
そして抱かかえられている子供も両方とも、総悟の子だ…。そう直感できた。
とりあえず冷静になろうと感情を沈める。誰であろうが同じ。とりあえず今はあの人質を解放ささなければならない。
私情に捕われるな、そう言い聞かす。土方の隣ではまだ半分信じられないような面持ちで近藤は目の前の子供と
離れた場所に居る蒼を見比べている
近藤に私情は抜きにしろ…そう期待するのは無理な話しだ。
どちらにしても、どうするか、まず沖田が来た所でこの話しをしてから…。そんな悠長な事はしてられない
そもそも、こんな事になっているなんて、神楽は知っているのか?
色々な思いが、土方を巡る。
舌を鳴らし、何とか冷静を保とうと必死になっていると、又後方から声が聞こえた
「副長ぉ!遅れてスイマセンでしたァ!」
汗をだくだくに掻き、真っ青になってこちらへ来る。渋滞に引っかかってしまい…。と高速で言い訳を並べる
そして、その後方から飄々としながら沖田が来る
「遅れてスイヤセ〜ン」
やっと来たと言う思いと、コレをどう説明するかの念。
気付かないようなら、そのまま素知らぬふりをして、状況を話し普通にしてるか。いや、それは無理な話しだ。
こんなに似ているんだ。そもそも総悟は勘がいい。すぐに気付くだろう。
だが、捕われてるのが自分の息子だと知って冷静に居られるか…。
やはり息子だと言われても変わらないか…。
とりあえず、限りなく面倒なこの話し。頭が痛くなってきそうだと額に手をやる
すると反対側からの声
「隼人、蒼…?隼人ぉ、蒼ぉ〜〜」
見覚えのある声を、少し低くし、落ち着いた声。
やはり神楽は何も知らない…そう考えた。
子供を捜してる風に聞こえるその声に、ざわざわと胸がかき混ぜられる思いの土方と近藤…
そして、土方、近藤、隼人を中心としそれぞれが集まった…
……To Be Continued…