act 4

いつもは涼しいと顔を和らげる風さへも、今は、針の様に自分の体に突き刺さる思いがした。

保険室に行こうかと思った。でも、沖田に感ずかれるのが嫌だった。自分があの指で、いやらしく体を引きつらして、狂うようにイかされたなど、絶対知られたくなかった。

痴漢でも恥ずかしくてたまらないのに、アンナ事、死んでも知られたくなかった。

沖田の隣にある自分の机の上で、つっぷして、授業中いがいは動かなかった。途中お妙達がどうしたのと心配して寄ってきた。その時も、作り笑い程度しかできなかったが、顔色が良くないからと結局保険室へと連れてこられた。神楽を寝かせ、布団をかけてやり、ゆっくり休んでねと其処を後にした。

正直、気持ちが悪くて、本当に頭はクラクラするし、吐きそうだったので、ミツバ達には感謝していた。

この頃風邪ぎみなんだと言っとけば、余計な心配をかけなくてすむ。そして、今日の事は、また子やお妙らにも言うつもりはなかった。只の痴漢ならば、沖田には言わずとも、お妙たちに言う事は出来たかもしれない。

しかし自分の恥ずかしい醜態をとても神楽は言えなかった。

お妙には、銀八への伝言も一緒に頼んで置いた。これでゆっくり眠れる、目が覚めたときには、全て夢でありますようにと、神楽は静かに寝息を立てた…。

.........

目が覚めた頃は既に放課後であり、勿論、全て泡の様に消え去ってる訳もなかった。
早く忘れようと、自分に言い聞かせてみるが、かえってあの感触、あの耳元の声、吐息…思い出して、ぐっと喉に詰まった。

何もしてないにも関わらず息は切れ、肩を上下した。一瞬で掻いた冷や汗を手で拭い、ぐらつく体でベットから下りた。

誰にも知られないように、早く帰ろう。そう神楽が横に視線をずらすと、お妙が持って来てくれたであろう、自分の鞄、そして横の紙には、起きたら電話してねとの文字。

自転車通学であるお妙、体が弱めなミツバの事を配慮した沖田が学校に近いところにミツバの家を借りてくれたので、徒歩通学のミツバ。そして同じく自転車通学のまた子とは、どうやっても一緒に帰る事が無理でいつも神楽は一人で帰っていた。

一度、また子に、せっかく同じ電車なんだから、沖田と行けばいいと言われたが、朝の登校はともかく、下校はどちらにしろ無理だった。
剣道の部活があったからだ。

本人に行く気がなくても、毎度首根っこをつかまれ、強制的に連れて行かれていた。

電車に乗りたくない…。そんな事を思いながら階段を下り下駄箱に行くと、ラブレターが入っていた。いつもの事なので、あまり気にとめる事もないままにその手紙を持った。表には何も書かれていない。

本当に自分宛かと顔をかしげ裏をひっくり返し、思わずひゅっと息を呑んだままとめた。

【朝の君へ】
下手な殴り書きで書かれてはいたが、神楽の心臓を握りつぶすには十分の威力だった。
体は一気に強張った。自然に動悸がし、手が震えた。中をひらくと、たった一枚の紙、【http…】何かのアドレスかと思った神楽は、そのまま携帯を出し、紙と見比べながら手を動かした。

震えるため、何度も打ち間違えては消しの繰り返しで、やっと打ち終え、息を呑み、ボタンを押した。

スクロールで出てきたのは、動画と…文字。

【Catch】と其処には書かれている。神楽はその下の文章を読み愕然とした。
”今回の獲物は銀魂高校の女生徒!初めてだったので、少量の媚薬を直接擦り込んでみたら濡れる濡れる!


期待できそうな予感大!マジで楽しみにしててください!下の動画マジ見て!嘘じゃないのが分かるから!”

口を覆い言葉をなくしながらも、動画にへとその手を動かした。生唾を全て飲み込むと喉からカラカラになってしまった。
そしてそのボタンを、ゆっくりと、押した…。



……To Be Continued…

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