act 15

むふふふぅ。
自然と女の顔から笑みが漏れた。
病院内の喫茶店。頼んだのは、アイスココア。アイスミルク。オレンジジュース。カルピス。
一口飲んで、喉を潤わした。 

夏の日差しは照りつけるが、店内は、逆に寒いほど、キンキンとエアコンが効いていた。

窓は大きく、サンサンと陽が店内を差し込んだ。駐車場から丸見えなこの喫茶店を、ぐるっと花壇が囲ってある。

色とりどりの花が植えられ、見ているだけで、落ち着いた。
入院患者も多く利用しているらしく。少しでもと店長が気を利かせた小さな景色だった。

まもなく、注文したデザートが並んだ。クレープにパフェ。ショートケーキにホットケーキ。
「太っちゃうわね。」お妙が言った。「赤ちゃんが欲しがってるアル。」神楽が答えた。

ミツバは何か突っ込みたそうにしたが、ふうと息を付いて何とか飲み込んだ。
ホットケーキに神楽がいつもより大目にシロップをかけた。

「マジで太るッスよ。」また子げんなりと神楽を見た。
先ほどと同じ台詞を神楽は言おうとしたが、ミツバが困った様に、「逆に甘いものの取り過ぎはよくないと思うの。」

との声に、神楽は、口を、(三角)△にし、ショックを受けていた。

が、かけたものは仕方がないと、結局その大きな口でペロリと食べてしまった。



もじもじと、それを隠すそぶりをする。あぁ、でも、やっぱり早く皆に言いたい。
ちらり、ちらり、お互いを確認する様に見た。いい?うん。せーの!

じゃんと見せられたその用紙には、くっきり、出産予定日が書かれていた。
一番手はなんと、ミツバ。予定日は、3/8。続いてお妙。予定日は3/12。
三番手は神楽、予定日は3/14。そして最後はまた子。予定日は3/17。

「ぅお!ミツバ姉が一番アル!。あたしは三番目ネ!」
「まぁ、本当だわ。私ドキドキしてきちゃった!」
「てか…。本当に、本当に、お腹の中に赤ちゃんいたッスよ!ちょっと今、あたし軽く感動してるっス。」
「私も。でも、ちょっと診察恥ずかしかったわよね。まさかあんなトコ見せるなんて…。」

「本当アル。ちょっと痛かったし。でも、なんか小さな黒いつぶがあったアル。あれが赤ちゃんに成長するなんてビックリネ…。」

話は留まる事を知らない。話がひとまず途切れたかと思えば、またすぐに誰かが話題をふっかけた。
おしゃべりの合間に少しずつデザートは減っていく。
談笑も、まずまず。やっと一息おちついたところに、着信音が響いた。

「あっ。コレ。DOESアル!」
また子の着信音に神楽が反応した。「ふふっ。これ晋介専用の着信音にしたっス。」言いながら携帯のボタンを押した。いいなぁ。と神楽は言いながら、携帯をピコピコと押し始めた。さっそく沖田の着信音を代えようとしているらしい。っと。神楽が慌てた。どうやら間違ってかけてしまったようだった。

慌てて、神楽はボタンを押して切るが、すぐに着信音がなった。
また子は上機嫌で高杉と話している。お妙は「出ればいいじゃない。」そう笑った。

「もしもし…。」
神楽が出た瞬間だった。
「えっ!」
また子が声を張った。神楽は驚きまた子の表情を見た。その視線の先、沖田と高杉が、店内、入り口にいた…。



……To Be Continued…

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