act 3

丸い白いテーブルに、アイスココアが四つ。部屋の中には、ほんの少し香るそれぞれの香水。聞けば、全員彼氏に予定をキャンセルされたと集まって、ランチを食べ、買い物を楽しみ、彼氏の家の変わりに、夜は神楽の家で…。

じめじめした季節、湿気を取らなくちゃ…。なんていいながら、除湿のスイッチをおして、最近増えた家族、そして、その兄弟をお披露目ッス。そう一度自宅に戻り、また子が連れて来た。
かわいい!名前は?お妙が言う。トシ君ネ。神楽が言った。何でトシ?もっといい名前がありそうな気がするけど…。ミツバが言う。
また子が高杉の高から、自分の子猫にタカってつけちゃったアル。じゃぁ、うちの子をトシにしたら、タカ&トシになって面白いからつけたのヨ。神楽が言うと、側でタカの喉元をゴロゴロと撫でながらまた子は笑みを見せた。
そっかぁ、タカ君、トシ君よろしくね。お妙とミツバは二匹を抱かせてもらった。まだまだ小さく、両手にすっぽりと入ってしまった子猫は、気持ち良さそうに、体勢を変えながら、ゴロゴロと喉を鳴らした。二人は人差しで、まだ小さな体を撫でた。

神楽、じゃらじゃらと餌の音をさすと、子猫の耳はピクリと動く、両手の中からもがく様にうごき、餌をもとめ、手から落ち、そして体勢をたて、ちっちゃな体で走った。そんな姿を皆で微笑みながら見つめた…。

「ね。で、話ってなに?」
お妙はアイスココアを喉に流し、潤わせた後、口を開いた。神楽はまた子と顔を見合わせ、堪えきれない様に笑みを見せた。あのね…。実は…。

「だ、駄目!そんな事絶対にできない…。」
一番に口を開いたのはミツバだ。うん。予想通りの反応だと神楽とまた子は頷いた。そんな横でお妙はいいわよ。そう頷いた。これに、神楽とまた子は驚いた。お妙も、猛反対すると思っていたからだった。実は、もう少しで仕事が安定するから、そしたら、俺の子を産んでくれないか…。と遠まわしに言っても、早くいっても、ぞくに言う、プロポーズを近藤にされているとお妙は明かす。再び、驚きの声を三人はあげた。いいな!ずるいッス。羨ましい…。そんな言葉を横に、お妙はふふっと微笑んだ。
神楽とまた子は、少し話がそれたとミツバを説得にかかる。

「大丈夫ッスヨ。バレないッス。」
「そうあるヨ。ちょっとプスっと穴をあけるだけでいいアル。トッシーの赤ちゃん、欲しくないアルか?」
「そ、そんな事言って、二人ともずるいわ。でも、バレたらあたし絶対怒られちゃう。ううん、きっと別れられちゃう…。」
「大丈夫ッス。あの硬派なマヨラーはミツバちゃんしか見えてないッス!」
「そうアルよ。だって赤ちゃんできたら、きっともう寂しくないアル。そうデショ?」
「そりゃ…欲しいと思うけど…。」
「だったら決まりアル!」

勝手に承諾と決めつけ、買って来たコンドームを四つ、ピリピリと分けた。そして、針でプスっと刺す。一個じゃ頼りないアル。そう言うと、後数箇所も穴であけた。
ミツバは、困った様な顔を見せた。が、正直好きな人の子供だ、夢に見ない訳がなかった。しかも他の三人はやる気でいるため、後で、自分も、などと後悔したくない気持ちが強くでたのだった。お妙に至っては、小細工をする必要性もあまりないといえたが、まぁ…。そんな感じだった。

一体何で、こんな事を思いついたの?お妙の言葉に二人は思わずにやけた。
今朝、早く、高校の時の担任、そして神楽の保護者でもある銀時の家にまた子とふたり、遊びに行くと、朝ドラマが展開されていた。ドロドロとした愛憎劇。丁度そこで、一人の女がプスっと細工をするシーンを見たのだ。
これはイケル!思わず二人で顔を見合わせたのは言うまでもなかった。

後は…、お妙は口を開いた。タイミングだと。四人とも、周期は同じなので、問題はいつ…。其処が問題だった。
確かに、其処まで考えてなかった。そう神楽は漏らした。この忙しい状況、特に誕生日などと言うイベントもない。誘うにしても、会えなければ意味がない…。今から浮気するって電話してみるとか?いやいや、この間も言ったけど下手したらそのままジ・エンドって事にもなりえるッス。逢いたくてたまらないって真っ向勝負!。下らない事いってんなって却下されるに一票。う〜ん。どうしようか…。

時刻にして、午後7時、パーフェクトプランを、女は練る。
あーでもない。こーでもない。これは果たして、やっていい事なのか、わるい事なのか…。よく分からないが、すでにプランは動き始めた。そして、最初でつまずいた。

そんな彼女達に、一本の電話が鳴り響いた…。


……To Be Continued…

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