act 5

屯所に帰ってくるなり、更に神楽は人を驚かす。事情を聞いた近藤、山崎。万事屋とか何かと縁があるため、特別に、広い屯所の一室。畳の部屋で話をと、知った顔ぶれに囲まれた

「チャイナさん。黙ってちゃ分からないよ・・」

だんまりを決める神楽に、なだめる様に、山崎は神楽に言葉をかける。土方は、タバコを吹かしながら、黙って様子を伺っている。
近藤も、目を瞑り、黙って神楽が話し出すのを待っている様子。
沖田は、見て分かるほどの機嫌の悪さで、そこに足を崩し、座っている。
シンとした空気が流れる中、沈黙を破ったのは、当事者の神楽だった

「・・・て、仕方ないアル・・・家も・・お金も・・・」

たどたどしく話す言葉は、聞き取れにくい。目には今にも溢れそうな涙が溜まっている。それでも、泣くモンかと神楽はキュッと顔を締める。すこしづつ、ゆっくりと神楽は話だした。

「お財布・・落として・・お金がナイアル・・・」

そんな事と、近藤はあきれるが、まだ神楽は続けた
「銀ちゃんと、新八は、海の家に、10日ほど行って・・帰ってこなくて。財布の中に・・家賃と、水道、電気、生活費・・・全部入ってたアル・・・」

「そんな事、言って謝るしかねぇじゃねーか。なんであんな事しなきゃなんねーんだ!」
吸っていたタバコの火をきゅっと消しながら口を開いた
正直、其処にいた全員が、その土方の意見に強く同感した
しかし、土方の声が少し強くなったのを、まぁまぁと、近藤が止める

ただただ、沖田は黙って聞く。
本当は誰よりも、事の真相が聞きたいのは沖田に違いない
それは、土方も感づいていた
その沖田が、あえて口を挟む事無く、黙秘を決め込むことが、逆に土方は心配だった

面を見れば、その醸し出すオーラでどんな事を考えているのかは、およそ想像が付く
拗ねるなどの生易しい雰囲気では間違いなくない。どちらかと言えば、嫉妬・・・その類だった
本人がそれに気付いているのか居ないのかわ別だとして・・・

神楽、沖田、双方を見る。
頭をガシガシと掻きながら、面倒くせぇ〜・・・つぶやいた。



「だって・・・・・・・」

神楽は、ポロっと涙を頬に伝わした。言おうか言わまいか、その頭の中で必死に考えて居る事が、皆読み取れる
それでも、じっと待つ。


そして、唇をわなわなと震わせながら、重い口を神楽はやっと開いたのだった・・・


・・・・To Be Continued・・・・

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