act 4

神楽の肩に手が触れる瞬間だった
着信音が響き、画面にはマヨ馬鹿と書かれていた。舌を鳴らし携帯に出る
ボタンを押すと同時に発せられた罵声

「遅せぇ!!まだ見つかんねーのかよ」

「・・・・・見つかりやしたぜィ。大馬鹿なガキ一匹ねィ」
一瞬沈黙を決め込んだ。
この状況を今話すべきかと、しかし、どうせ戻ればバレる事も分かっている。
上司の不機嫌さを、更に暑く塗りたくる様なマネをしたくなかったのもあったので、簡潔に終わらせた

パチンと携帯を閉じると、今度こそ神楽に手を出した。
しかし神楽はその手を取る事はなく、沖田に視線を合わせる事無く、ポツポツと一人で歩き出した。
連衡されるのは分かってるらしく、何も言わず初めの場所へと歩き続けた。沖田はその小さな振るえる後姿を見ながら、かなり後悔をしていた。

理性が切れたとは言え、神楽がしようとした事が身売りなら、自分がしようとした事は、立派な強姦罪だ。
何も言わず、ただゆっくりと体を震わせ歩いている神楽に、道中、何度手を差し伸べようと思ったか分からない。
何度引き止めて、謝ろうとしたか分からない。
それでも何も言えずにいたのは、やはり、自分の奥底で見ないようにはしてるが、今回神楽がしようとしていた事が腹立だしかった事があったからだ。

もし、今回新撰組が借り出されなかったら・・。確実にホテルまで直行してただろう
そこで、神楽の理性が元に戻り逃げるかどうかは五分だが、相当切羽詰ってなければ、第一こんな事をする様な奴ではない
そう考えると、やはり、先程の男に、股を広げていた可能性も考えられなくはない。
それを考えたときに、又ふつふつと怒りが込み上げてくる。

それと同時に、今回借り出されたのが、自分と土方であってよかったと言う思いいがあった
他の隊士では、おそらく神楽には、追いつけなかっただろう。自分だから、追いつけたと言う考えは、あながち嘘ではない
そう意味では、面倒臭いと心から思っていた今回の張りも、あながち無駄ではなかった

そんな事をダラダラと考えながら、神楽の後ろを、神楽と同じ側で、一定の間隔をあけながら歩いていった

パトカーに付いたころには、男の方は既に他の車で連衡されたらしく、土方は、タバコをふかしながら待機していた。足元もとに、タバコが何本も落ちていた事から、相当待ったと予測される。土方は、沖田の隊服が見えるなり、顔を変形させ怒鳴った

「総悟ォォ!!てめ!どんだけかかってやがる!・・・ったく、それで、この子が・・ん??んん??」

さきほどフードを被り直した神楽に初めは気付かなかったらしいが、フードの中の桃色の髪と見覚えのある顔を見る途端、何回も頭の上にクエッションマークを浮かび上がらせた。
沖田の顔、神楽の顔を、共に何回も交互に見る。キリッとした切れ長の目を、真ん丸く変形させ、素っ頓狂な声を上げて来た

「え??何でお前がココに居んの?てかチャイナ娘だよね?そーだよね!?」
「とりあえず聴取とりやすぜ・・」

沖田の様子を見た土方は、何となくゾッとする。なんて言うか殺気?誰に向けての?
神楽が震えているのにも土方は気付く。何かあったなこりゃ・・。簡単に想像出来た。二人の微妙な関係。
調べていたのは身売り。つかまったのは神楽・・・・。
面倒くせ〜〜なぁと、ガシガシと頭を土方は掻いた

……To Be Continued……

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