act 2

どうしよう・・・神楽の頭の中は、ここ2日そればかりだった。

自分の前に、30代の男が来た。男は何かを話している。しかし、それは頭に入らない。男が指で3と表示しする。何をしているんだろうと。
とりあえず頭を振って、あんたに用はないと促す。がしかし、男はあきらめない。指は増え、5と表示される。

ここにきて、やっと男が何を言ってるのか分かった。私を5万で買う。5万と言う金額が高いのか低いのかさえ分からない。
買う・・・それは何を意味するかは知っている。普段なら、即パンチをおみまいする・・。

しかし、神楽はうつろな目で、その指を見、そして、今の自分の状態をとっさに天秤にかけ、その手を取った

神様は、やっぱり見ているもんだと思う。何故か警察がいて、偶然か、取り締まりか・・運が悪い事に
自分を追ってくる男は、沖田であった。
自分の名前を呼ばない所を見ると、気づいて居ない様だ。
うまくいけば逃げられる。考えながら、耳がキ−ンとなるほどの緊張に包まれる。足は速い。

しかし、沖田の足も、それに劣らず速いのは充分承知していることだった。
どれくらい走ったか分からないが、ここ2日の空腹で、うまく足が回らない
それでも捕まる恐怖に比べればと、走る。しかし、神楽の願いは空しく、うまく体が動かなく、とうとう自分の体にその手がかかったのだった。



「オイ・・・・!!!!」

沖田が、思いきり肩を掴むと、反動で神楽は沖田の方へ向く。しかし、やはり目は下に伏せていた

「何でこんな事してやがんでィ。旦那らは知ってんのかィ?」
声は鋭く、視線が自分に突き刺さる。自分の前にたって、自分を尋問しているのが、数多く居る新撰組の中で
なぜ沖田なのかと神楽は思う。質問にこたえる気はない様で、手だけを、ワンピースの端っこを掴み、握り締めていた

「お前ちょっと来い!!!」

沈黙を決めこむ神楽を、腕を強く引っつかみ、人の居ない路地に連れていく。
新撰組の隊服、少女。怒鳴る姿。人々の好機に触れるのを避けるためだった

神楽の体を、思うより強く、壁にたたきつける。沖田は自分が考えてるより遥かに気が立っていた
なぜ気が立つのか・・・そこを考えることはとりあえず止め、目の前の沈黙を決め込む女の尋問に再度とりかかったのだ

……To Be Continued…


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