act 3

ボトン・・・・・・・

神楽は持っていたカバンを落とした
目を泳がせ、震える
しかし、何も言わないまま、教室を飛び出した



やりすぎた・・・そう思った。でも、コレでヤキモチを妬いてくれただろうか・・
少しは、俺の事を意識しただろうか・・・
そう思い次の朝・・引っ叩かれたのだ





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「か、神楽・・」
いつも屋上は、二人の場所だった。お弁当を食べるときは必ず一緒にいた
相変わらず、総悟が、神楽のお弁当の中身を取ったりで、甘い不陰気とはほど遠いものだったが。

「来るなヨ」
「俺・・」
総悟が近づこうとした・・しかし神楽は無言で屋上から出て行った
自分のした間違いに、初めて本当に気付いた
大切なものを、自分で壊した。後悔した。でも、時間は戻らない。よく、失くしてから大切な物に気づくと聞いた。本当だと・・今更思う




女との放課後の付き合いも、全て一切止めた
アレから、隣同士の神楽とは、口を聞かなくなった。
回りも不陰気に気付くが、何も言わない。神楽は目も合わさなくなった
それでも、総悟は、神楽の事を忘れなかったし、好きだった
幾度となく、神楽に話かけようとする。しかしそれを神楽は聞こえない不利をするか、無視をしたり、他の人に話をかけ、取り合ってくれなかった

2ヶ月過ぎた。相変わらずだった。
こんな事なら、何もしなければ良かった。欲を出さなければ良かった。
どんな形でアレ、神楽は自分と付き合ってくれていた。それだけで良かったのに・・・・
それでも忘れられない。忘れたくない・・神楽の事が好きだった




「キャー!!神楽ちゃん」
それは、体育の時間だった。
声に気付き、外で体育の授業をしている神楽たちの方を、自分達の授業している体育間から覗くと地面に倒れている桃色の頭が見えた
気付いた瞬間には、自分の意思とは関係なく、体が動いてた
急いで駆けつける

「オイ、神楽!!しっかりしろィ!」
頬をパチパチとするが、意識はない。今日は天気が良い。暑さにやられたか・・・・
神楽を抱き、急いで保健室に連れて行く。額に冷たいタオルを置いてやる
そこら辺にあるノートを使って風を送る

「天気には、アレほど気を付けれって言ったでさぁ」
付き合って居たころは、体育が大好きな神楽は、天気を気にする事無く体育をしようとして
よく、それを総悟が止めたり、判断したりしていた。
赤く火照った神楽の顔
おもわず、頬に触れる。柔らかく、プルプルで、スベスベで、凄く好きだった
何で・・何で・・・

「うう・・ん」  苦しそうにもがく
「あぁ、ジャージの上は脱がしたほうが涼しくならぁ」
赤いジャージを、ジーとゆっくりチャックを外す。ジャージから腕を抜かそうとすると、首元からジャラっと、チェーンが見えた
「何でさぁ・・」  ゆっくり総悟はチェーンを手繰る





「こ・・・・・れ・・」
それは、神楽のプレゼントに、総悟が買った、あの指輪だった
<恥ずかしい・・>  そういって、付けてもらえなかったあの指輪・・
「なんで・・」
首元で、持ってるチェーンがジャラジャラと首元で動き、神楽は起きてしまう

「そ・・総悟!!」
ぼやけた視界。ハッキリとする、その目に映るのは、2ヶ月前まで付き合ってた総悟
神楽は目を開き、ベットから降りようとし、チェーンが総悟の手の中にあるのを見る
「!!!!!」
総悟の手から、チェーンを勢いよく引っ張る。
すると反動で、チェーンは切れ、繋いでいた指輪がコロコロと転がる
「あっ!!指輪が・・・」
神楽が、思わず口がすべったと、右手で口を覆う
まずったと言う感情が表にでる

「お前・・ずっとしてたのか・・?」
「ち、ちが・・「あの日から、手じゃなくて、首にしてくれてたんですかィ?」
神楽の喉が鳴るのが分かった
「何で・・言ってくれなかったんですかィ」
「恥ずかしいダロ・・」
嫌だからではなく、本当に恥ずかしかったから

指輪も嬉しかった。でも恥ずかしかったから手じゃなくて、そっと首に付けた。いつでも総悟に包まれてるような気分になれるから。好きって何回も聞いた。
でも本当はいったんだよ。小さい小さい声で「好き」って。ただあなたに聞こえなかっただけ・・

お弁当を食べる時間、大好きだった。私の作るお弁当をわざと食べるあなたが。食べた後、ウマイって言われるのが嬉しかった。
放課後一緒に帰るのが大好きだった。手が触れないか触れないかの距離。二人きりになると、恥ずかしくて、何を話せばいいか分からなくて、黙っただけ、笑顔が作れなかっただけ。
デートに誘われた時、嬉しくて眠れなかった。緊張であまり覚えてなくて、笑いたかったのに、全然笑わなかった。気を使ってくれたのに、またいつもの教室のノリになって、全然甘えられなかった。
本当はいっぱいいっぱい、甘えたかった。

キスをされたとき、嬉しくて、涙が出そうだった・・
見せたくなくて、下を向いた。涙声にならないように・・黙った



突然、放課後帰らなくなって、苦しかった
私じゃない、他の女の子たちと、沢山すごして、私には触らないのに、私は恥ずかしくて触れないのに、他の女の子たちは全然平気で、腕組んで、腰に手を回して。自分が惨めだった

別れた・・・そんな噂が立った
総悟も本当は、私と別れたいのかと思った。じゃなきゃ、あんな事する理由が見つかれない
いつまでも進展しない、私達の関係が嫌になった・・・そう思った

そして、教室で見た
もう限界だった。私が開放されたいのか、総悟が開放されたいのか、もう分からない

隣同士は、なんて面倒くさいと思う。話をしないようにする。時々、総悟が話かけてくる
でも恐い・・・聞きたくない・・何も

2ヶ月過ぎた。
そうだ、こんな体育の日は、いつも総悟が、よく私にいってたっけ
「無理すんじゃねぇ、気ィつけなせぇ・・・」  
あの台詞・・大好きだったな。守られてるみたいで・・・・

……To Be Continued…

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