act 1

スパーン
シンと静まり返る教室、その視線は、当事者の総悟と神楽に注がれた
ギョッとする目、好奇の目、クラス中の視線がそこに集まった
「もう・・お前とは終わりアル」
そう一言だけ告げると、まだ朝のホームルームも始まっていない教室から、神楽は出て行く
「えっ・・ちょ・・・神楽・・」
これは、予想外だという目で総悟はそこに立ち尽くす
とりあえず、俺が悪く、元凶も自分だと言う事は分かっている
しかし、コレとは別の展開を、総悟自身は予想していた
すべては、神楽にヤキモチを妬かせるため・・それが、どうしてか、別れにまで繋がってしまった
ヤバッタと今更ながら焦り始める。だがそれは、もう遅かった

「だから言っただろ!!」
「本当ですよ。どうして沖田さんの行動が、神楽ちゃんを
ヤキモチ妬かす行動に繋がるのか理解できません」
「ちょっとやり過ぎですよ」
「神楽ちゃんから見れば、ただの浮気です」

事情を知っているクラスメイトは、口々に言う
やり過ぎた・・それは自分も把握できた。今しがた。


「おーい。今神楽が凄い勢いででていったぞ〜何かありましたかぁ?」
レロレロキャンディを加えながら銀八が教室に入ってくる
「神楽ちゃんが、とうとう爆発しました。しかも一番悪い方向で」
やっぱりなと言う顔で銀八は、総悟をみる
「だから言っただろ。やめとけって。アイツはあーゆう性格なんだ。それ知ってて付き合ってたんだろ?完璧にお前が悪りィじゃねーか」

「わかってらィ。言われなくても・・」とりあえず、一番に、神楽を追いかける。教室を飛び出した

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ヤキモチを妬かしたくても、あれじゃあ、ただの浮気だよね〜」
沖田の気持ちも、確かに分かる
神楽は、いわゆるツンデレだ。むしろツンだ。沖田から告白し、それにOKしたとき、沖田の喜びは半端ではなかった。神楽にベッタリで、近づく男は徹底的に粉砕した。自分ばかりがヤキモチを妬いていて、神楽は常にクールだった。イチャつくなんて事は絶対しなかった。
甘えた事も言わない。デートに誘っても、あまり笑う事はなく、むしろ、大半が総悟にブチキレテいた。
自分の事を本当にコイツは好きなんだろうか・・?総悟の疑問は沸く。しかし、告白にOKしてくれたのは事実だ。
大丈夫だと自分に言い聞かせる。だが、神楽の接し方は一向に変わらない

「俺の事、好きですかィ」
幾度となく聞いた。
「よくそんな事、本人目の前にして聞けるアルナ」
さらっと神楽は言う
その他にも、違う台詞は神楽から、いくつも出てくるが、肝心の好きと言う単語は一向に出てこなかった。又一つ総悟の疑問は増える
自分の物だと、シルシに、プレセントに神楽に指輪を買った。ありがとうと少しはにかむ神楽を見て幸せだと思った。しかし神楽がそれを付ける事は無かった。神楽に聞くと恥ずかしいからと、やっぱり付ける事は無かった。又一つ総悟の疑問がわく

付き合ってから、少しして、神楽の口に自分を重ねた。神楽は下を向き、何も言わなかったが、可愛かった。それから、何回かキスをしようとしたが、コレも恥ずかしいと断られた

俺の事本当に好き・・・・・・?



自分ばかりがヤキモチを妬いている
もし神楽に自分を思う気持ちがあるならば、神楽だってヤキモチを妬くはずである
そう沖田は考えた。そして行動に移したのだ

いつも放課後は、神楽と帰る。言葉は少ないながらも必ず
しかし、まずそれを止める。コレで神楽はヤキモチを言うかと・・しかし、神楽は
「分かったネ」
の一言で終わる。モヤモヤするのは総悟のみだった。神楽と付き合うようになってから、面倒くさい女からの放課後の誘いは全て断ってきた。それも止めた。
「きょうカラオケ行くからぁ」
やっぱり神楽の反応は薄く
「あっそ」で終わった
ますますモヤモヤするのは、総悟のみ。段々腹が立ってくる
自分の彼氏が、一緒に帰らなくても、他の女と遊びに行っても何にも反応を示さない
周りは、アレが神楽だからと言う。分かってる。そんな事は初めから知ってるつもりだった

でも、やっぱり、その他大勢と、自分の差が欲しかった。誰だって持つ感情だと思う
自分の前だけの、神楽の表情が見たかった
しかし、それは別の人に常に向けられていた
「銀チャーン」
「銀ちゃん」
「ぎ〜んちゃん」
自分のためにはしてくれない表情を銀八には向ける
あんな顔俺には絶対みせねぇ・・・

周りが止めるのも聞かず、ドンドンエスカレートしていく・・・・


「綺麗な肌してますねィ・・」
神楽が見てるのを分かって、他の女の頬に触る
女は、顔を紅くし、そして嬉しいと喜ぶ

放課後、いつも沖田は、他の女を連れて、立ち寄りながら帰る
カラオケ・ゲーセン。他の女たちは嬉しくて、沖田の腕に、自分の手を絡ませる
それを沖田は振り払おうともせず、それどころか、彼女らの腰に手を回す
彼女たちは気を良くする
学校で、神楽と別れたと噂が流れ出した
どうしても、神楽にヤキモチを妬かせたい。そう思う一心だった。変な方向に行ってるのは自分でも分かった。でも止められない。

神楽は、何にも言わなかった
怒りもせず、泣きもせず、ただ普通だった
苛立ちはどんどん膨れ上がる

「どんな事してでも、妬かせてやらぁ」




「おまえ、それじゃただの浮気以外の何者でもねぇよ」
「やりすぎだって」
総悟に、土方、近藤は、止める様にいったが、総悟は聞く耳を持たなかった

「沖田君・・好き」
神楽が居る前で、告白させた
わざと、神楽を見る。神楽は俯いたまま、しかし何も言葉を発する事はなく、教室を出て行こうとする。
自分の彼氏が告白されてんのに、ヤキモチ処か無視ですかィ・・・・・・

自分でも、信じられない行動だと思った。

神楽が出て行く瞬間だった

その告白してきた女の腕を引き寄せ、自分の口に重ねた・・・視線は神楽に置いたまま・・・


……To Be Continued…

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