act 33

「ほんっとっっ!!スイマセンでしたぁぁぁ!!」

寝ぼけ眼から一編、神楽の表情は、項垂れている
それは隣にいる沖田もだった

ピンポーンと共にやってきた訪問客・・それは、神楽と同じバイト先の従業員でもある長谷川だった
神楽の部屋、玄関先での土下座・・初め二人は何事かと思った
そして訳を聞いた。
少し前の下着泥棒・・・いや、不審者はどうやら自分だと話し始める
神楽がこの部屋に入るまで、長谷川が妻と住んでいたと言うのだ。もちろんの事だが沖田は知っている
だが、神楽とバイト先が一緒だと言う事までは知らなかったので、そして、沖田が長谷川の事を知っていた事で、双方が驚いた
妻の父親の会社で働いていたが、どうにも窮屈さに堪らず、辞めたのだと言う
そして、会社を辞めた事より、自分についてきて欲しいと言う言葉を言ってくれなかった長谷川に腹を立て
妻は、結婚指輪をベランダに向けて放り投げ、出て行ったと言うのだ。

しばらくして、長谷川も家を出ることにし、その後に入ったのが神楽だった

そして、コンビニのバイトも辞め、小さい会社だが、正社員として、働けるようになり、妻を迎えに行こうと思ったのだが、肝心の指輪がない。長谷川は探した。ベランダの向こうで・・這いつくばって・・。
妻のために、一生懸命に・・。しかし見つからない。だから、神楽のベランダに忍び込んだ
そして探す。そして、キラリと光るものが目に入る。見つけたと思った時、神楽が家にと入ってくる。
電気もついた。しかし、指輪は、狭い場所に入っていて、中々届かない。今しかない。だから粘る
そして、ついに取った。投げ捨てたときに付いた傷でボロボロになりながらも、その光は失われずに・・・。

そして、とりあえず逃げる。しかし、偶然住んでいるのは神楽だと気付く。もともと訳を話しに誰であろうが行くつもりだった。その相手が神楽だと言う訳だった・・




「そんで、奥さん戻って来たアルカ」
まだ、全ては許せない。恐い思いをしたのだ。だが、正直怒る気にもなれない。ちょっといじけた子供の様に、気になるその後を長谷川に聞いたのだった

「あぁ。おかげさまで。ただ、今俺が住んでいる所は二人で住むには狭くてね。だから何処か探してるトコなんだよ。君たち、何処かいい物件知らない?」

長谷川が言い。神楽は、知るはずも無く、さぁと首をかしげる
だが、隣の男は、さらりと言って退けたのだった

「もぅすぐ、俺と神楽が一緒に住みやすんで、もぅ一度ココに住んだらいいでさぁ・・・」

神楽は口をあんぐり開けたのだった


……To Be Continued…

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