act 32

「ぷはぁぁぁ。もぅ食べられないアルぅ」
お鍋にあったビーフシチュー。たっぷりあったビーフシチュー。殆どカラになっていた
ソファの上で幸せそうに寝そべる神楽を、沖田はげんなり見ている

「そのちっせぇ体の何処に、あれだけの量が入るんでィ」

「ここアル。あ〜おいしかった。やっぱり私は天才ネ」

そう言うと、自身のお腹をすりすりとさせた
沖田が旨いと言った後、上機嫌で神楽は自分の分を取り皿に取る。そして沖田の目の前でオイシィィと堪能した
そして、食べる食べる。ついでは食べ、ついでは食べ。沖田は二杯お代わりをしたトコでストップ。
最初の時の様に、吸い込まれるように食べていく神楽を、初め微笑ましく見ていた
が、量が量。その目はだんだん変化する。

神楽自身が満腹を感じる頃になると、もはや、その目は微笑みからは、地の果てほど、遠ざかっていた

無言で沖田は、食器を片付ける。途中神楽が後でやるから・・との声に、せめてものお礼だと沖田は言った
神楽は幸せそうに笑いながら、ソファへと再度項垂れる
悩みも解消され、大好きな人とは両思い。お腹さえ満腹になり、幸せの絶頂。
それと同時に、神経の使いすぎで、糸が切れた今、その疲れがどっと押し寄せてきた
うつら・・うつら・・・と目は閉じていき、まどろみの中にと、意識は消えた

...........

洗い物を片付け、タオルで手を拭きながら、いやに静かな自分の後方を見ると
ソファの上でスヤスヤと寝ている神楽が視界に入った

「何でィ・・寝てやがらぁ・・寝てりゃ可愛いんだけどねィ」

咄嗟、自分の中で、寝て無くても・・と感情が沸き起ったが、そこはあえてスルーをした



「知らねェ間に、不安にさせちまったかねィ」
丁度神楽の寝ているソファを背もたれに、腰を下ろす
静かに上下する胸。それは、規則正しく、刻まれる
ソファに流れる髪を、そっとすくって、サラサラと落とす
人差し指の甲で、そっと頬に触れてみた。すべすべでさらさらで・・

「・・んぅ〜〜沖田・・・」
眉間にしわを寄せ、かとおもえば、その表情は笑みへと変わる

「夢で見なくても、目の前に居るだろうが」
ふっと、笑う沖田。身を乗り出して、ソファには神楽。その顔に、重なるように唇は落ちて・・・・


ピンポーン
後、数センチ。数センチの所での訪問者
沖田は、舌打ちを鳴らしながら、すやすやと寝ている神楽を起すハメになった


……To Be Continued…

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