act 30
唇と唇から、糸が伝った・・離れて行くにつれ、その糸は細くなっていき、ぷつりと切れた
神楽は、沖田に抱かかえられたまま・・・
その体制のまま、沖田の首に、両手を巻きつけた、そしてそのまま抱き締めた・・
沖田は神楽の尻の下に手を置き、軽々と神楽を支える
「好きでさぁ・・誰よりも・・。神楽の変わりなんざ居るわけねェだろィ・・」
ぎゅっと抱き締めてる手に、力をはめた
どう言う風にとったらいい?私一人だけって事?聞いてもいい?
沖田は、ゆっくりと、神楽をソファの上に座らせる
そして自分は、ソファの下に腰を下ろす。テレビもつけてないし、火は消してある
音も無くなって、下から、沖田の視線が優しく見つめてきた・・
「誰・・よりもアルカ?・・・・だってあの子・・」
思わず、ううん、もしかしたら確信犯かも知れない・・偶然をよそったふりして、知ってもらいたかったのかも・・。
言った後、ずるい・・なんて考えた。だって予想通り、食いついてきたから・・
「あの子?誰に・・何を言われたんでィ」
神楽の予想した通りの反応。やっぱり、自分はずるい・・そう思ったけど。もぅ遅かった。本当は、ずっと聞きたかったから。
「ショートカットの子・・引っ越した時会ったデショ?お・・・前が、何人とも・・その関係持ってて、・・女は私一人じゃないって・・だから・・だから・・き・・・消えて・・って」
言い出した後、やっぱり、卑怯だって思ったら、何かしどろもどろになって、そしたらパニクって来て、何がいいたいのか、最後はわからなかった
何となく、自分が嫌な女って思ったら、視線合わせずらくて、膝の上で、きゅって拳握り締めた・・
これは、自分の自己嫌悪・・。でもそれを沖田は勘違いしたみたいで・・まるで今も悲痛な思いをしてるのかと思っていた。だから、すぐに行動にうつした。
ポケットから何も言わず携帯を取った
そんで、凄い早さでボタン押して、何か探してるみたいで、そしたら携帯耳に当てた
そこまでした所で、はっと気付いた。急いで沖田の耳から携帯を、取り上げ、ピッとボタンを押して、発信をストップさせた・・。
「ち、違うヨ。私は大丈夫アル・・そんな・・お前が言ったら、告げ口したみたいで・・嫌アル・・」
「告げ口何かじゃねェだろィ。貸せって、一言、言ってやらぁ。ついでに金輪際、顔見せんなってな」
一瞬、ちょっと嬉しいかもって思った自分が居た。だが、すぐに意識を戻し、ブンブンと首を振る
「本当にいいヨ・・。お、お前が、そう言ってくれただけでも・・嬉しいアル」
言った後、恥ずかしくて、ぼふっと顔が赤くなった
そしたら、お前、凄く優しい顔を見せた・・・
「伝わりましたかィ?」
何か、照れそうだったから、ちょっとそっぽ向いて、いい返した
「ちょっと・・ダケヨ」
そう言った顔、ぜったいお前にバレてる・・きっと嬉しくて仕方ない顔してる・・
だって、にやけるの我慢するのが、精一杯・・。
ちょっとだけ、ほんのちょっとダケ、あの子にザマーミロ・・・なんて思う私が居た・・
……To Be Continued…
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