act 28

「どうした・・アルカ?」
早く、温度を感じさせて・・そう思って目をあけた。開けた瞬間、瞳がぶつかった

ゆっくり落ちてきた沖田の顔
コツンとおでことおでこをあわせられた
鼻と鼻の先がぴたっとくっ付いた。目と目の間なんか、10cmも無い。
沖田が口を開くと同時に、吐息が口に触れるように思えた

「俺の気持ち・・全然伝わってなかった?」

「わ、分かってるアル・・ヨ」

ちょっと恥ずかしくて、その狭い隙間の間から、抜け出したいって思ったけど、体もぴったりくっ付いて、ベルト閉められてるみたいに捕まって、動けなくて、余計に、自分の体温だけ上がっていくのが分かった

「いや、全然伝わってねぇな。俺がテメーの事すきだっつー事、分かってねぇだろ」
すきって単語が聞こえた。嬉しくて、顔がにやけそうになる。それを必死に堪えた
あの女の人が言ってた事。分かってる。

「だから・・・ちゃんと伝わってるヨ」

「伝わってねェ」

「だから、何回も・・ちゃんと伝わって・・」

「だったら何でそんな辛そうな顔してんでィ。なんでそんな泣きそうな面してやがる」

「エッ・・・・」
思った時、全く同時だった。まるでこぼれるみたいに、涙が落ちた
「あれ?何で・・」
本当に何で?分かってるよ。ちゃんと、誰の次でもいいし、私だけじゃなくても・・
あれ?何でさっきは笑えたのに・・さっきは平気・・だった

「っ・・ぅ・・ヒック・・ふ・ぇぇ」

おかしい・・欲張ったら駄目ってわかってるのに・・
さっき大丈夫っておもったばかりなのに、ぜんぶ・・ぜんぶ覆すように涙が出てくる

「何で泣くんでさぁ。こんなに思ってんのに・・何で伝わんねぇんでィ」

「ご、ごめんなさい・・欲張って・・嫌な女アル・・っ・・」
ぼとぼとと流れてくる涙の量。意味不明な神楽の言葉、沖田は神楽から顔を離す
両方の親指の腹で、何度も神楽の頬から、涙を拭うが、その涙は止まらない
訳が分からないが、ごめんなさいと、つぶやき続けている

放課後した約束。家に居なかった神楽。銀八の腕の中で泣いていた神楽。
誰の所為で泣いていると言った銀八の台詞。神楽の笑顔
そしてこの涙・・・何がなにやらさっぱりだったが、間違いなく
放課後から、この今までの間に何かがあったのかわ、やっと想像が付いた

沖田は、もぅ一度神楽の涙を拭き、自分の方に涙目を開かせる
そして口を開いた

「一体ェ、何があったんでィ・・・・」


……To Be Continued…

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