act 27
何回も、何回も握っては、別のトコを掴むもんだから、沖田のTシャツはくしゃくしゃになっていた
それでも、ぎゅっと握ったまま離さない・・
目はずっと瞑ったまま
あったかくて、この匂いがすきで・・すきで・・
自分の背中に回された手を、温度を、感じる・・
胸の奥から聞こえる、トクン・・トクン・・って音。落ち着いた
まだ、ゆっくり頬に、何でか涙は伝うけど、こうしてるだけで幸せだと思った・・
銀ちゃんは、あの直後、一瞬目があった。視界はぼやけてたけど、確かに、柔らかく笑った
まるで、良かったなって言ってるみたいだった
ゆっくり、ゆっくり私の髪をすく、あいつの指・・
そんなのされたら、本当に、何もかもどうでもよくなる・・
あたしは、あなたが、すき・・・・・・
ずっと言えなかった、名前。何回も、本当は呼びたかったけど、何でか呼べなかった
色んな呼び方をされてて、私はいつも、『お前』・・
沖田 総悟・・こいつの名前・・
大学生で、強引で、Hで、女好きで、二つ上で・・時々優しくて、いつも格好よくて
大好きな人・・・・・
「沖田・・総・・悟・・先輩・・が、すき・・」
瞑っていた、目をゆっくり広げる
体を動かして、上の沖田を見上げる・・そして柔らかく笑った・・
一瞬驚いた様な顔を見せた。しかし、すぐにその顔は柔らかく微笑む
あぁ・・この顔すき・・うん。別にいいよ・・もぅ
恨まれてもいい。誰の次でもイイ・・溺れても・・あなたが酸素を送ってくれるなら、それでいいヨ・・
沖田の手のひらが、神楽の頬を、柔らかく包んだ
自然に目を神楽は閉じた
初めてのキスも、コレからのキスもぜんぶあげる・・あなたのキスが、私だけのモノじゃなくても・・我慢する・・。
「誰の次でも良い。一番じゃなくても良い。でも私といる時は、私を一番にしてネ・・」
目を瞑ったまま言った台詞・・
いつ唇が重なってもいい隙間だった・・
それでも落ちてこない、温度に神楽は目を開けた・・
……To Be Continued…
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