act 24

「ねぇ・・神楽ちゃん、何で銀さんがここに居るのかなぁ?」
ソファの上で寝転がり、買って来たジャンプを読みながら、口に出した

神楽は、一瞬銀八の方を、ちらりと見て、目の前のまな板へと視線を落とした

「私が銀ちゃんを呼んで、銀ちゃんがここに来たからネ・・」

ため息を、銀八が付くのが神楽にも分かった・・

本当は、こんな筈じゃなかった
本当なら、あいつの家で、得意なビーフシチューを作ってるはずだった
あいつの帰りを待って、帰って来たら、ちゃんと言うつもりだった
自分の気持ち・・ちゃんと言葉で伝えるつもりだったんだ・・
本当に、大好きだよって・・

......


マンションの前で立ってた女の子
その姿に、神楽はすぐにピンと来る

引越しした時の、あの女の二人組
片割れの、ショートカットの女

無意識に、喉を鳴らす

自分が今からはいろうとするのは、沖田の家
しかし、そこに立つ女
考えながら、とりあえず・・・自分の家の扉の前にたって、一瞬立ち止まる
とりあえず、今は自分ン家に入って、様子をみてから、もぅ一度、沖田の部屋に入ろう・・
われながら、いい考えだと思う

自分の家のノブに手を掛けた
ガチャリと、扉の開く音と、声が重なる

「沖田先輩は、別にあんただけのモノじゃないから・・」


ピタリと、神楽の体が静止した
沈黙・・ちらりと視線をやる
女は沖田の家の扉に背を向けたまま、神楽に視線を合わそうとはしない
確かに・・沖田は、自分のモノではない
今から、そこの事実を、変えるために、頑張ってみようとする所だった
ゆえに、何も神楽は言い返せない

また、無表情、ピクリとも動かず、言葉を放つ

「沖田先輩に何度抱かれたか知らないけど、別にあんただけじゃないから、いい気にならないでよ」
又、無意識に、ゴクンと喉を鳴らす
初めから分かってた。複数の女と関係を持ってるなんて、でも実際に聞いてみると、ショックな事に気付く
そして、神楽は、決め手の一言を聞いた

「アンタなんて、消えればいいのに・・・」

手の先が冷たくなっていくのを、感じた


……To Be Continued…

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