act 18

ダブルベットの前で、沖田の足はピタリと止まる
何か考えてるような、ちょっとした合間の後、ゆっくりとベットに腰掛けた

神楽は、沖田と視線を合わせることが無いようにと、クルリと背を向けた
そして、ずぼっと布団を頭にかぶせる
沖田は、もう一度頭を掻く。
「悪かった。覗いてすいませんでした。コレでいいですかィ」
ベットの中の神楽は、ピクリとも動かない

「悪かったって言ってんだろィ」
全く反応を示さない神楽、沖田は、布団を、めくろうとした。だが、神楽が内側から、ぎゅうと持っているため、動かない。沖田はむきになる。布団ごと、神楽を包む様に、上から抱き上げ、持ち上げた

「やぁ〜〜〜!!」
いとも簡単に、持ち上げられる。いくら神楽とて、ベットにしがみつくことは出来ない。掴んでいる布団ごと持ち上げられたら、ひとたまりも無かった。

布団の中から、ぼさぼさ頭の、神楽の顔が出てきた
蒼い瞳の前に散らばる自分の髪を避け、必死に髪を整える
そこまできたトコで、自分は今沖田に抱かかえられており、目の前20センチ先にあるのは、紛れもない沖田の顔であると気付く

アッと、口を開ける。口を開きっぱなしの面
急に恥ずかしくなる。口をきゅっと結び、下を向き、左に、右にとくりくり動かす

「お前、可愛い」

は?
沖田の口から出てきた言葉。いやいや聞き違いだと、ぶんぶん首を振る。
濡れた髪が、一緒に重たく動き、ホッペ、首にぺたりとくっつく
その髪を、沖田は人差し指で払う
触れた場所が熱い。

又だ。こいつと一緒にいると、いつもこんなんばっか。熱くて、心臓が早くなって、恥ずかしくなる
さっきは、可愛いって、、、、オカシイヨ・・。

下を向く神楽に、もう一度沖田の声が聞こえてくる

「神楽可愛いでさぁ」

きゅううんって、心臓が締め付けられた
耳がキーンってなった
視線だけ、上にあげると、柔らかい顔をした、沖田。

紅い瞳・・綺麗・・。そんな事を考えながら、自然に顔はあがる

僅か15センチになった間
沖田は、神楽の顎に静かに手をかける
「ひゃ・・・」

思わず再度伏せた顔
感覚をあけて、もう一度呼ばれる自分の名前
カーって赤くなるのが分かる
顔をあげたら、きっと・・キス。
布団の中で、両手をイジイジと遊ばす

トクントクンってなるこの気持ち
触られたら熱いって感じたこの気持ち
本当は、ずっと気付いてた。でも、気付かないようにしてた
あいつは危険・・そう自分で言い聞かせた

自分の部屋で、スラリと出てきた本音。ほとんど心の奥底で確信した
すっごく格好よくて、凄く意地悪で、凄く・・凄く・・好きな人・・

ゆっくりと神楽は顔をあげた・・・・・



……To Be Continued…

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