act 15

「やっぱり、帰るアル」
ソファから立ち上がる神楽

「は?居ろっていってんでィ」
同じように立った沖田に引き止められる

何か。だって変だよこんなの。普通じゃない気がする
こんな台詞のやり取り。ただのお隣同士の自分たちには似合わない
恋人でもないのに・・
そこまで考えて、ふと神楽は考えた。何でそんな単語が出てきたのだ? と

相変わらず、沖田は通す気はないらしい

「お風呂!お風呂に入りたいアル。バイトで疲れたし、もぅ眠たいんダヨ!!」
ふ〜〜と毛を逆立てる。なんて台詞を言わせるんだと!
一瞬、ぱっと手を離した。神楽はしめたと思う。この際家に帰って寝ても構わないだろう。
あのベランダ野郎も、もぅ今日は来ないだろうと・・
しかし、そんな事を考えている神楽に、頭を疑うような台詞が聞こえてきた

「泊まりゃいいじゃねぇか」
さすがの神楽も、頭のネジ飛んでるよ、こいつと振り向く。しかし、その表情は崩れていない
「頭おかしいアル。なんで私がお前のトコに泊まるネ?自分ちに帰るアル」
「だったら、帰らせねぇ」
沖田も負けてない。再度神楽の腕を掴み、その手を離さない。ブンブンと振っても離さない

「何でお前の所に泊まるアル!」
「心配だからでさぁ!」

神楽の言葉が終わるか終わらないかで出てきた、沖田の言葉。思わず視線を伏せた。前を向けれない。
だってきっと顔は真っ赤。

「服取りにいきやすぜ」
「ぅエっ!!」
沖田は、玄関で靴を履き、神楽を連れ出し、隣の部屋へと足を踏み入れる
早く着替え取りにいけとの声
なんで?何処でどうなったらこんな展開になるの?絶対おかしい・・。ドラマじゃあるまいし。こんな展開変だ
ちらりと沖田の方に視線をずらすと、玄関のトコに、背をつけ、腕を組み、自分を待つ姿。

(いまいましい・・何で無駄に格好いいアルカ?)
はぁとため息を付く。そして、自分が思った感情への驚きをそのまま口にと出していた

「ええ〜〜〜〜〜!!!!」
叫び声、思わず、靴を脱がず土足で駆けつけた神楽の元
顔を真っ赤にして、両手で口を塞ぎ、ブンブンと首を振る女。とりあえず危険とは、皆無らしい。一人で何悶えてんだと、再び玄関に行く

(うわぁぁぁぁぁ!!何?何を思った?い、今カッコイイって、すらっと出てきたアル)
無意識に出てきた言葉、意識している自分に今気付き、そこで悶えた

数分後、早くしろとの沖田の罵声に正気を取り戻し、急いで準備をし、隣の危険地帯へと再び足を踏み入れた自分が居た

……To Be Continued…

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