act 8

「お腹すいたアル〜」
大学のカフェテリア。実はここの時間が一番神楽は好きだった
一体何を食べようか・・?
今日は何にしようか・・?
考えるだけでも幸せに感じた。至福の時だった
しかし、それと同時に、この空間に、あいつが居ないか、無意識の範囲で探す
視線を泳がせていると、隣の妙が、顔を覗き込んだ

「神楽ちゃん、誰か探してるの?」
「ぅえっ?!、だ、誰も探してなんか・・」
明らかに、どぎまぎとさせる神楽。頭の中での想像を神楽にぶつけてみる

「沖田さん?」
口をあんぐりと開けて、何で分かるんだとも見える表情で、パクパクとする
この間の、神楽と沖田のワンシーン。銀時を追いかける神楽を見る沖田の目、何となく感じていたのは、当の本人を含めて、お妙だけが、気付いた

「何かあった?キス・・しちゃったとか」

ぐわっしゃ〜ん

お妙の言葉を聞いた神楽は、酷く動揺を見せ、肩にかけていたバックを、来たばかりのお盆の上にある天ぷらうどんへとぶちまけた
派手に汁は飛び散る。気に入っていた小さなバックは、無残にもうどん臭が漂う

「熱っつ。熱いアル!」
神楽自身、先程のお妙の言葉での動揺がまだ残っている。お盆を置けばいいのに、持ったまま、ただただ自分の手にかかった大量の汁と跡と、熱いといいながら、格闘していた
隣にいる妙も、同じように混乱する。ここまで動揺するとは思っていなかったため。
間違いなく自分の一言で火傷させてしまったと、同じようにお盆を下ろせばいいのに、持ったまま、大丈夫?大丈夫?と繰り返していた。

........

キス・・単語が出てきた瞬間神楽は体をビクつかせた
まだあれから数日。
何でキスをしたかの、神楽の問いに、当たり前の様に沖田は、したかったからと答えた
やっぱりコイツは危険。本能が言ってる。体が近づくなと言っていた
一番初めに会った女達。あれと同じ様な感覚でキスされたらたまらない
ふざけるなと怒り、神楽は、早々に沖田を追い出す

その際、ココアを貰っていくからと、相変わらずの態度に、更にムカつく
だからこそ、キスの事は考えないようにしていたのだが
人間、考えないようにしている時点で、考えてしまっているモノで、無意識の内にやっていた動作
そこを見破られ、混乱したのだった

「何やってんでィ!早く冷やせ!」
神楽の手から、ひょいとお盆を取り上げて乱暴に近くの台の上に置くと、すぐさま手を引き、カウンターごしのキッチンへと連れ込み、自分の手を強く持ち、冷たい冷水を浴びせ続けた

斜め上を見上げると、舌打ちをしながら、少し怒ったように心配する沖田の顔があった



……To Be Continued…

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