act 9

唖然としている者の中、一人きょとんと顔をさせ、近藤に寄った
「知らない顔が沢山アル」

当然といえば当然。知ってる者だけではない。隊士からの方から言えば、万事屋の連中と言えば有名だ。
しかし、何十人も居る隊士の中、神楽が全員を把握している訳も無かった
見上げる神楽に、はっとした近藤は、明日ゆっくり言おうと思っていたんだがと、うなじを掻く
そして、簡単に説明をしたのだった

「えー。今回、特例として、このチャイナ娘をウチで預かる事になった。くれぐれも変な気を起さないよう、紳士な態度で勤めてくれ!」

ストレートな言い方だったが、隊士達には分かった。
しかし、どうしたモノか・・嬉しいらしく、隊士達の顔が緩んでいるのが分かる

神楽といえば、14歳の頃とは外見が、間違いなく変わっていた。17歳とも言えば、十分体つきも丸くなっている
出る場所は出て、締まるべきトコはしっかりと締まっている
この体は、銀時達と共に俊敏に動き、戦う事でより綺麗についた体の肉とも言えた

「少しの間だけ、お世話になるアル。宜しくお願いしますヨ」

愛らしい顔で、そうお辞儀をペコリとした。すると、もともと大きな近藤の服を着ているタメもあり、お辞儀をした時に、本人は気付かないが、胸元が大きくがら空きになり、目の前の隊士の目にはくっきりと、チェックのブラに包まれた形のよい胸が、露となる。

気づいていないのは神楽本人と、その横で立っている近藤のみ。
開いた口が塞がらない・・借りにも近藤の前だ。下手な真似は出来ない。たった今釘をさされたばかりだ。
しかし勝手に口がにやける。隊士達は揃って右手で口を塞ぐように、そのにやけた口元を隠す

神楽は相変わらず、愛想よく、ニコニコと笑っている

むろん、先ほどの光景は、沖田、土方、山崎にも同じように公開されていた
伏せるように目を背ける土方と山崎。ただ一人だけ、眉間に皺(しわ)を寄せ、不機嫌面をしてるのは沖田だ

神楽とて、その雰囲気は読み取ることは出来る。が、理由は分からない
自分がいる事が気に食わないのか・・・?ならば何故ココに居させると銀時に言い、出て行こうとする自分の肩を掴んだのか?
考えたが分からないため、見ない不利を決め込んだ…。

....

今度こそ、本当に、白い布団の中に自分を埋める
気持ちよくて、ここ二日、外の屋根の上とかで寝てたから、よりその気持ちが大きくて。
部屋に帰って、電気も無いところで一人で寝るよりは、お月さんと二人で寝るほうが、
嫌なことも忘れられる・・。そう思ってた。でも今は胸のつっかえ取れて、凄く安心してるの分かる

布団にすりすりって顔すり寄せて、枕の中に顔埋めて、思わず柔らかい笑みが漏れた
もう・・何も心配する事ない・・。
そう思った。でもすぐに身を起した。思わず見る、沖田側の壁

(あいつ・・あいつ・・私に何しようとしたアルカ??)
冷静になって考えてみると、思わず顔が赤くなった
そういう知識はちゃんとある。だから何をされてるかも、大体分かってた。だから余計に怖かった
下着下ろされて、カチャカチャってベルト外して、アレ・・・完璧に・・。


ブルブルって頭振った
やっぱり冗談じゃない。神楽は思わず土方側の壁へと布団をずるずるとくっ付けた
(襲われないように、絶対気をつけるアル)
そう心で思いながら、布団を頭まで被る

でも、ちょっとドキドキしてる
わかんないけど、ドキドキしてる。怖かったけど、背中さすってくれた時、凄く嬉しくて、本当は思わず袴の裾に
手を握っちゃいそうになってた。どうやってもアイツは年上なんだって。思った
あまりにも、襲ってきたアイツと態度が違うくて、思わず面食らった

そもそも何でアイツあんな事したのヨ?
なんであんなに怒ったノ?

それに・・それに私・・あいつとキス・・・・。
ダァァァ!!何でキスなんか、今更恥ずかしくなってきたネ〜!!

神楽にとっては、初めてのキス。。

いきなり塞がったと思ったら、乱暴に角度変えてきて、生暖かいあいつの舌が絡まった
息出来なくて、下着脱がされるし、でも唇が離れなくて・・
ナンか・・・ナンか・・すっごく恥ずかしい・・・・・・・

思い出せば、余計に顔は赤く染まり、布団の中でゴロゴロと転がった
....

「オイ・・・」
ぺちぺち・・ぺちぺちと、顔に何かが当たる感蝕がする。
瞼を閉じたまま、一瞬怪訝そうな表情をした。しかし、それでもやはり聞こえてくる声、瞼の向こう側は、明るい
今は朝か・・・つかこの声は・・。
まどろむ意識の中、ゆっくりと沖田は瞳を開けた

目の前に見えたのは、自分の顔を重なるように覗き込んでいた神楽の顔だった
沖田の瞳が開くと同時に、神楽の大きな蒼の瞳は、更に大きくなり、驚いた様に顔を離した
そして、目を見開いたのは、もぅ一人、沖田もそうだった

慌てて、自分に背を向ける神楽に声をかけた
「俺の部屋で何してんでィ。夜這いでもしに来たか?」

クルリと体を向け、くわっと口を開いた
「ななな、そんな事誰がお前なんかにするアルカ?トッシーから朝の隊長会議に遅れないように起して来いって言われたアル!じゃ、じゃなきゃ誰がこんな部屋に・・」

そういうと神楽はまた沖田に背を向け、去り際、『起したからナ!!』と顔を真っ赤にさせ、スパンと障子を閉めて出て行った。

多少寝癖のついた自分の髪をくしゃりと触ると、意味もなくため息を付きながら、着替えをする事にした

「何でィ。可愛くねェ女でさぁ・・」

そう言った後に、去り際のあの赤く染まった表情が、実は自分の胸を高鳴らす程に可愛らしかったのを思い出し、その雑念を振り払った

よくよく、考えれば、土方が何故神楽を寄越したのか、その意味は分からないが、本当に神楽が屯所で生活をするんだと言う事に、たった今自覚した。
昨日の朝までは、予想だにしなかったこのおかしな状況。何人と居る屯所での男所帯に、思春期の女一人。
隊士からすれば、どれほど美味しい話か。だからこそ近藤自ら言葉を出したのだ。万が一間違いがあってはと。

しかも、見知った顔の神楽ではあるが、本当に、もう子供ではない。立派な女の子だ。
毎朝、あんな風に起しにこられでもしたら、堪ったもんじゃない。男の朝の事情と言うモノがある。

(本当にやっかいな女でさぁ・・)

うなじを掻くと、着替えを済ませた沖田は、すごすごと朝食を取るために食堂へと向った…。


……To Be Continued…

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