最終話

恥ずかしそうに、ベットの上に布団を又しき、二人毛布に包まる


「沖田・・気持ち・・よくなかったアルカ?」

神楽が、絶頂を味わった後、沖田は神楽を抱き締めたまま、包まった
沖田が味わう事は無かった快感
自分ばかり、気持ちよくなってしまい、相手の事なんて考える余裕なんてなかった
今更だが、神楽は不安になる

右上に視線を送ると、其処には長いまつげが見える
なんて綺麗な瞳なのだろう・・・

沖田の左手は、神楽の左肩に回されている
沖田の腕に神楽は、自分の頭を乗せ、その手は沖田の体に・・・

神楽の言葉に一瞬驚いたような表情をみせ、そしてふっと笑った

「まさか・・・何回もイっちまいそうになりやしたぜィ」

今度は神楽が、一瞬驚いた様な表情を見せ口を開いた

「で、でもお前・・・」
其処までしか言わなかったが、沖田には予想つく
神楽をぎゅっと抱き締め、自分の中に閉じ込め、そして言葉を話す

「いいんでさぁ。今日はこれで・・・」

包まれた沖田の中は、素晴しく幸せを感じる事が出来る

沖田は神楽の耳元で、さらに言葉を続けた
「次は、立てなくなるまでやるつもりでさぁ・・・覚悟しとけ」
顔がボッと火をつける。見上げた沖田は口元を吊り上げイタズラに笑う
そんな顔さえ愛しく思う
頬を胸に摺り寄せ、さらに沖田を抱き締める力に強さが加わる




「神楽・・・・一緒に住まねぇか・・・?」

唐突に出てきた沖田の言葉
神楽は困惑する。見上げていた沖田の顔は、すでにイタズラな笑みは消え、真剣な眼差しになっていた
頭の整理が出来ていない神楽を見ながら、話を続ける

「おめーの面倒一人くらい、俺だけの給料でどうとでもなる。店辞めて、側に居てくんねぇか?」

困惑で開かれていた、吸い込まれるような蒼い瞳は、みるみるうちに、大きな膜を張る
その瞳の中には、ユラユラと視界がぼやけるほどに溜まる涙
下から、一気に駆け上がる鳥肌。髪の毛まで逆立つ思いがした

真面目な顔から一転。
それは見た事もないような、優しい眼差し。この表情は、自分に向けられたもの。私だけのモノ。
蒼い瞳から、耐えられなくなった大きな涙は、次々へと外に外にと押し出てくる
それと同時に、神楽は沖田の首に両手を回す

沖田の素肌には、零れ落ちていく涙が伝う
神楽は、コクン、コクンと頷く

二年

辛かった

何回泣いたかなんて、数えてない。何回忘れようとしたかなんて、覚えてない

忘れないでよかった。好きでいてよかった

幸せになれて・・・ホントに嬉しい

沖田は、神楽の頭に、自分の手を沿え、ナデナデとさする
その表情は、神楽だけに向けられた、神楽のためだけに作られた表情だった
自愛の目・・・堪らなそうに抱きしめる

顔をあげ、涙で濡れた頬を拭い、神楽は沖田にキスをした
「ウン・・一緒にいたいヨ。一緒に・・住みたい・・」
首に回された手を、心地良いと沖田は思う

「ずっと、一緒でさぁ」

「ずっと、一緒アル・・・」








エピローグ


「やっと、くっ付いたんですか?」 

お妙は言う

「二年て長いよな〜」
お妙の隣に座ろうとして、近藤は吹っ飛ばされる
それでも、これは愛ゆえだと自分自身に言い聞かせる


「やっとコレで総悟の八つ当たりから、開放されるぜ」
 土方は、ため息まじりで話す

「神楽の事話した、俺のおかげだろ・・」 
独特の笑いをしながら、高杉は言う

「でも、お似合いですよ、二人とも・・」 
新八は、優しい瞳を二人に向ける

神楽の家と、沖田の家を解約して、沖田はマンションの契約をした
今だけではなく、将来の事も考えて


「総悟〜それはこっちに置くアル」

「何言ってんでィ。向こうの方が断然いいだろィ」

「こっちの方が実用的アル」

あーだこーだと家具の配置を決める二人を、重いものを今しがた連続で運び終えたクラスメイトが
微笑ましく見ている

「長い道のりになっちゃたけど、何となくこうなる予感はあったのよね」

「何度二人を会わそうとしたかわかんねぇよ」

「ただ、こればっかりは、二人が決めることだったしな」

「距離を置いて、こうして二人に幸せがきて、コレでよかったと思います、僕。神楽ちゃん、今、本当に幸せそうだし」 
残りのジュースを飲み干し、さあやるかと皆立ち上がる


「だーりーよ。面倒くせぇよ。何で銀さんこんな事しなきゃならないんですかぁ。」
ビニール袋3つをパンパンにさせながら、両手に持つ銀八が玄関から入ってきた

「銀ちゃん、お帰りネ!!」
神楽は、荷物を持ったままの銀八に飛びつく。重心をグラつかせながらよろよろとよろける

それを、ベリと沖田は剥がす。
「ココは俺とお前の家であって、コイツは関係ねぇ。お帰りじゃねえだろィ」
 
 「でも、私の家族アル。銀ちゃん大好きネ」
腕に、痛いほど絡ませる神楽を、沖田はピクピクしながら見、銀八は

「ちょ、止めて神楽ちゃん。まだ銀さん死にたくないから〜お願い!!」と顔を蒼白させる

「いい度胸してんじゃねーか。表出ろィ」
  
「ま、マジでタンマ。か、神楽。抱き付く相手が違うから〜〜!!!」




「近頃思うけど、アレ、確信犯だよね、神楽ちゃん」
「ぜってぇな。目がからかってる目だぞ、あれ」
「これ内緒ですよ。ヤキモチ妬いた後の、沖田さんのキスが、好きなんだって」
「「「「「まじでか!!!!!」」」」


……To Be Continued…

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