act 5

胸元の開いた、神楽の体のラインがよく分かるドレスを身にまとっていた

はちきれんばかりの胸と、ほどよく付いた、丸みを帯びた尻
桃色の髪を一つに纏め、一度左側で留め、そこから髪をそのまま左の肩にかけて流す
右側から見れば、神楽の鎖骨、ウナジがよく見える、20歳とは思えない色気だ
神楽は、キャバクラの待合室で、近頃同じ事をずっと考えてた

「沖田に会いたい・・」

二年も会えなかったのだ。コレくらいと思っても、一度会うと、その波は大きくなるばかり
二年の間に、自分も確かに変わった。でも、神楽は沖田に驚いた
もともと格好良かったのに。今は、これ以上ない所までいってる。
少年の顔から、たった二年足らずで、青年にと変貌していた。

もっと話したかった。寄り添いたかった。
沖田に女の子が群がるのを見て嫉妬した
私の物って言いたかった。振られてるけどね。

振られたのに、二年もズルズルひこずって・・バカネ・・。

ため息ばかりついてる所に、ボーイが来て、ご指名ですと言われた
働く気分ではないが、コレも生活費のためと、フロアにでる
コツコツと客席に向う。

栗色の髪。緋色がかった目

「お、沖田・・な・・・何してるネ」 
 確かに今しがたずっとコイツのこと考えてた
だからって、目の前に、しかもキャバクラって・・。

沖田はと言うと、二度目ながらも、又もや神楽に見とれた

ドレス姿の神楽なんて見ていなかったため。沖田もチャイナドレスを思い出す
「お前、よく昔休みの日にそんなのきてたなぁ」
「そんな昔のこと、よく思えてたネ」

感心して、神楽は横に座る

横に座ると、胸元がよく見えた。このまま手を突っ込めば、容易にその中の赤い蕾を探し当てることが出来そうだと。ふいに、また子の言葉が浮かんだ<性質悪い客がおおい・・>

「お前、そんな服着て、酔っ払ったおっさんに手ぇ突っ込まれるぞ」
「大体はカバーしてるから大丈夫ネ」

ふふんと顔をそらし、得意そうに神楽は言う

「じゃあ、大体じゃねぇ客はどうすんでィ」
うっと言葉に詰まる

沖田は嫉妬心に枯られた。




「誰に聞いたネ・・ココ。」
「高杉」
「高!!  あんのやろ〜〜絶対殺すアル」

ぶっと、沖田は吹いた。あぁ、外見は美しく変わったが、やっぱりチャイナだと

「何笑ってるネ」 
神楽は唇を突き上げプンと怒る

「おま・・かわってねぇ・・」
まだ笑いを堪えながら、話す

「し!!失礼ネ・・・どんなに失礼な事言ってるカ?この美少女に向って」
「美少女って年じゃねーだろ」

神楽も噴出す。二人はくすくすと笑う
あの3Zで、席を隣にして、授業中二人で笑ったあの頃見たく

「そうあるナ・・私も年取ったアル・・あの頃が懐かしいアル」
「てめーが隣でぎゃあぎゃあ煩かったからなぁ。集中が出来なかったでさぁ」

「何を!!いつもふざけたアイマスクして寝てただけじゃねーかヨ」

「頭の中にはちゃんと入ってらぁ。万年赤点のチャイナとはちがいまさぁ」

「いつもじゃないアル。た、たまにいい点もアッタヨ」

「本当にたまにだろィ」

「てめーだって、私の弁当いつも食べてたじゃねーかヨ」

「何いってんでさぁ。毎日早弁して、いつもなかったじゃねーか」

「私の大事なタコウインナー取っておいて、何いってるネ」


あの頃も、こうして二人よく話していた
授業中も、休み時間も、お昼も・・あきもせず・・ずっと。
いつも、気が付くと側にいた。誰よりも。
気が付くと、目で追った。隣にいる沖田をアイマスクしてても何か愛しくて
隣でくすくす笑ったのを覚えてる 
気付いたら恋してたんだ・・


笑いながらも、過去に意識が飛んでた

だから、とっくに沖田は笑い終わって、私を見てることに今まで気付かなかった
「お・・きた??」

なんだろう、沖田の目がとっても優しい。何か愛しさがあふれ出るような
イヤ・・ナイナイ・・ナイアル??  ココまで来てまだ期待するかと、考えるのを止める

「カグヤさん。ご指名です」
現実に戻された。ココはキャバクラだ

「ご、ゴメン沖田・・また次の子が来るアル・・楽しんでネ」

席を立とうとする私の腕を掴んだ

「次の子なんかいらねぇ。てめーがいりゃあ、それで良い」

紅い目が、私の目を捉えて離さない。
こんな事、初めてじゃない。行かないでと言う客。それなりに上手く交わしてきた
でも、腕を振りほどけない

「駄目ヨ・・ココは仕事場だから・・」  
名残惜しそうに神楽の手を離す

神楽の細く白い手首にかけられたブレスレットが、シャラシャラと音を鳴らした

背を向けて、歩き出す


……To Be Continued…

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