act 4

「俺と神楽は付き合っちゃいねーよ」
高杉は、面倒くさそうにタバコに火をつけ、言葉を続ける

「頼まれたんだよ、神楽に」

色んな感情に、沖田は包まれた
まず、神楽と高杉は付き合っていないこと。コレは純粋に一番嬉しかった
ただ、何がどうなって、こういう風になるのか分からない
とりあえず、高杉の話を最後まで聞けば分かると、沖田は先を促した

「話すんスカ・・晋介様・・」
また子は、心配そうに聞く
「しゃーねーだろ。納得しなきゃコイツ帰んねーよ。そういう奴だから」

沖田は、親指を立てまた子を指しながら言う

「誰?コイツ」
「コイツじゃないッス。また子って名前があるっス!!ちゃんと」

珍しく沖田に突っかかる女。こう言う女は嫌いじゃない

「あんた、何でココにいんの?」
「お前が、勝手に入ってきたんだろ!!ふざけんなっス。むかつくッス!コイツ」

神楽みてぇな奴だと思った。 不意に笑みがこぼれる
即座に、沖田がまた子の事を気に入ったと高杉には分かった

「手ぇ出したら、おめぇでも、殺るぞ・・」
また子を、自分の腕の中に隠す
また子は、顔を赤くし俯く
その様子で、すぐに沖田も分かった。本物の彼女はコイツだと

「だったら、早く話しなせぇ」 ニヤッと笑い高杉をみる

「率直に言うと、神楽はまだ、お前の事忘れてない。てか、まだ未練タラタラなんだよ、アイツ。」

二本目のタバコに火をつけ、ふーと吐き出しながら続ける

「同窓会に、お前が来るって聞いて、神楽も行きたかったけど、一人で行く勇気もないし、もし
お前に女が出来てても、自分ひとりじゃなきゃ耐えられるって、俺に一緒に来てくれって頼んだんだよ。それに、俺も神楽も一言も付き合ってるなんて言ってないぜ。」

今度は、高杉がしてやったと、ニヤリと笑う

「手をつないでたトコみてたんだろ。アレでやきもちやいておかしくなっちまったか?」
「さっさと話つづけなせぇ」  互いににらみ合う

「いよいよ、中に入るトコに来て、ヤッパリ会えない帰るって言い出したんだ。沖田に会えないってな。ても体も小刻みに震えてやがったから、手つないでおちつかしたんだよ。」

更に高杉の話は続き、どうやら、あの指輪は、高杉と神楽が同じものをしてたと言うより
先に、可愛いからとまた子と神楽がおそろいで購入し、その後また子が、高杉にもプレゼントしたものであると言う事が話しで分かる。沖田は自分でも気付いてないが、頬が緩んでいたのを高杉に突っ込まれ、照れ隠しにぶっ飛ばした

「あいつ、全然普通に話しかけてたぜ」

「精一杯の強がり・・・だな」

「二年間、今も進行中で、お前がスキだってよ。神楽ちゃんは」

言葉にならない感情。切なさ。嬉しさ。安堵。かすかな怒り・・。

「会いに行けば?あいつ夜ココで働いてるから・・」

渡されたのは、キャバクラの名詞。名前には神夜と書いてある
てか、なんでそんなトコで働らいてんの?
高杉を見上げると、だろーなと言うように、話を続けた

「アイツ。今。援助貰ってないんだ。銀八がやるって言っても、いつまでも甘えるわけにいかないって自分で働きながら大学来て。生活してんだよ。親からの仕送りは大学費に当ててるらしい。」

「私と一緒に働いてたっス。晋介様とあって、辞めるときも一緒に辞めようと言ったけど、生活が困るからって、首を立てに振ってくれなかったス。」

「俺達が一緒に住んでる家が、部屋一個余ってるから、一緒に住むかって聞いたんだけど、邪魔になるからってコレも拒否されて。」

「あそこのキャバクラ、お客の性質が悪くて・・でも時給がいいからって辞めてくれなくて」
肘で、高杉がまた子をこづく。余計なことを話すなと。

「アレだったら、俺も一緒に行くか」 高杉が聞く

「いんや。一人でいいでさぁ。後、殴ったのは、俺の女に手を出すなって忠告にしといてくだせぇ」
去り際、沖田は高杉にイタズラな目を送る

「てめーの女に決定なのかよ?」
「あたりまえでさぁ」
沖田は、振り返る事無く、後にする


「あ、あの・・神楽ちゃん、何度も忘れたいって言ってたッス。何度も何度も。でも
忘れられない・・って言ってたッス」
また子は、堪え切れなくて言う。出来ればこの二人が、上手くいきますようにと。
沖田は、微笑んで、片手をあげ、また歩く



……To Be Continued…

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